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解説

正解は、福岡県北九州市でした。

▲北九州市の位置

ヒント1:市名が「西京さいきょう市」になるはずだった

北九州市は1963年に、門司もじ市や小倉こくら市など5市が合併してできた福岡県の市です。合併に際して新たな市名を公募したのですが、このとき、2位の「北九州市」に約2倍の差を付けて最も多くの票を獲得したのが「西京市」という名前でした。

ところがその後、5市の市長らによる委員会の中で「歴史上天皇がいたことがないのに京を名乗ってもいいのか」という意見が出され、「西京市」で決まりそうだった雰囲気は一気にしぼむことに。そうして、2位だった「北九州市」が新たな市名に決まりました。この地域を含む工業地帯である「北九州工業地帯」という呼称が全国的に知られていたのもあり、「北九州市」の方がPRに有利だという側面もあったようです。

ちなみに門司区の大里だいりには、源平合戦の際に逃げてきた安徳天皇の仮の御所である「柳御所」が建てられたと伝えられており、大里という地名も「内裏」に由来するといわれています。

ヒント2:世界文化遺産の官営八幡やはた製鉄所

八幡製鉄所は戦前の日本において鉄鋼業で中心的な役割を果たした製鉄所です。日清戦争を機に鉄鋼の需要が増えたことから、日清戦争の賠償金の一部を使って建てられ、1901年に操業を開始しました。

先に述べた北九州工業地帯の発展の礎を築き、さらには日本の産業の近代化にも貢献した八幡製鉄所は、旧本事務所や修繕工場など4つの施設が、「明治日本の産業革命遺産 製鉄・製鋼、造船、石炭産業」の構成遺産として世界文化遺産に登録されています。

中でも修繕工場は、1900年竣工しゅんこう現存する国内最古の鉄骨建造物であり、現在に至るまで120年以上稼働を続けています。

ヒント3:九州で2番目に人口が多い

北九州市は合併した当初、九州で初めて人口が100万人を超えた都市でした。しかし、1979年の約107万人をピークに、以降は減少傾向にあり、2023年9月現在では約92万人となっています。

しかし、それでも北九州市は、福岡市に次いで九州で2番目の人口を抱える大都市です。さらに全国的に見ても、都道府県庁所在地でない都市としては神奈川県川崎市に次いで2番目の人口の多さを誇っています。

そして北九州市の魅力はその人口の多さばかりではありません。小倉城下町門司港レトロなど多くの観光地があるほか、「ものづくりの街」として発展してきた過程で培われた人材や技術などを活かして「北九州エコタウン事業」を推進するなど、SDGsの達成に率先して取り組んでいる都市でもあります。


解説を最後まで読んでくださりありがとうございました。ぜひ次回の「今日の一問・社会編」にも挑戦してください!

【前回の「社会編」はこちら】

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この記事を書いた人

Raven

京都大学法学部卒。「ONE WORD, NEW DOOR」を座右の銘に、皆様が新たな世界への扉を開けるような記事を書くべく努力してきました。よければ覗いてみてください。

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