解説
正解は「ゾウ」でした。
ヒント1:足の裏から音を感知する
ゾウは、人間が聴きとれる周波数の限界である20Hzよりも低い周波数の音を出すことができます。このレベルの周波数の波は、距離に伴う減衰量がとても小さく、かつ空気中よりも波を伝搬させやすい地面をも振動させることができるため、なんと10km以上先まで音の波を届けることができるのです。
また、ゾウの足には大きな脂肪の塊があり、巨体を支えるためのクッションの役割を果たしています。しかし、それゆえに足の裏はとても柔らかく、簡単に傷ついてしまいます。それを防ぐため、足の裏には神経を張り巡らせておりとても敏感になっています。
そんな敏感な足の裏から地面の振動をキャッチすることで、遠く離れていてもゾウ同士でコミュニケーションをとることができるのです。
ヒント2:大きな耳で体温調節をする
コミュニケーションは足の裏からとるゾウ。では、その大きな耳はどんな役割を持っているのでしょうか? もちろん、周りの環境音を聴くために使うこともありますが、それとは別に体温調節を行うための器官でもあるのです。
ゾウの耳は薄く、とくに裏側には細かい血管が網目状に張り巡らされています。そんな耳をパタパタと扇ぐことで、体から流れてきた血液を空気にあて、熱を逃がすのです。
ちなみに、同じゾウでも種類によって耳の大きさに違いがあります。アフリカの草原やサバンナなどの暑い地域に住むアフリカゾウは耳が顔より大きいのに対し、アジアの森林など、そこまで暑くはない地域に住むアジアゾウは、耳が顔よりも小さくなっています。
▲同じゾウでも全然違う
ヒント3:鼻が長いのは巨体を補うため
ゾウ最大の特徴ともいえる長い鼻。しかしながら、今から数千年前に生息していたゾウの先祖と呼べる生物は、ブタのくらいの大きさで鼻も短かったといわれています。
当時は水辺で暮らしていましたが、長い進化の過程で生活の場を草原などにうつしながら、徐々に体が大型化していきました。
体が大きくなると、ただ水を飲むときでさえもエネルギーを使うようになります。しかしゾウは首が短く、また頭部が重いため、ウマのように「口を地面に近づける」方法はとても難しかったのです。そのため、頭部を動かさなくても地面にある草や水を摂取できるよう、鼻を長く伸ばすという方向に進化していったと考えられています。
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