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解説

正解はアスファルトでした。

▲アスファルトを用いた道路の舗装工事 via Wikimedia Commons Marc-Lautenbacher CC BY-SA 4.0

ヒント1:ヨーロッパでは「ビチューメン」という名称がよく用いられます。

ビチューメン(bitumen)」とはアスファルトの別名で、サンスクリット語に由来する名称です。現在は特にヨーロッパを中心に用いられています。

対してアメリカでは「アスファルトセメント(asphalt cement)」という名称が用いられており、そこから日本でも「アスファルト」と呼ぶようになったと考えられています。ちなみに、「アスファルト」はギリシャ語に由来する名称で、「倒れない」「落ちない」といった意味があるといわれています。

ヒント2:縄文時代には、石器や土器の接着剤にも使われていました。

人類によるアスファルトの利用の歴史は古く、日本でも縄文時代から、天然のアスファルトが様々な用途に用いられていました。その産地は、主に石油が産出する新潟県から秋田県にかけての地域であり、そこから北海道・東北地方や関東地方に流通したと考えられています。

この頃のアスファルトは特に接着剤として用いられ、石鏃せきぞく(石でできた矢じり)を矢の柄の部分と組み合わせたり、割れてしまった土器や土偶を補修したりして利用されていました。中にはアスファルトを載せるためのパレットにされた土器の破片や、アスファルトの塊が貯蔵されていた土器もあります。

ヒント3:石油の分留によって得られ主に道路の舗装に利用されます。

現在使用されているアスファルトは、混合物である石油から分留して得られる「石油アスファルト」です。原油から軽油や灯油などの物質が分留された後に残る「残油」の中に含まれています。

参考:富士石油(常圧蒸留装置の仕組み)

残油の中にはアスファルトの他にも重油などの物質が含まれていますが、沸点が350℃以上であるため、そのまま加熱してもなかなか分留できません。そのため、残油は減圧装置を使って圧力を下げられます。圧力の下がった物質は沸点が低くなるので、より簡単に分留できるようになるのです。

こうして精製されたアスファルトは、主に道路の舗装に利用されています。アスファルトの舗装は、工事に時間とお金があまりかからず、壊れた部分の補修も同様に安価で素早く行えること、また水はけがよく雨の日にも水たまりができにくいことから、日本の道路で広く採用されています。


最後までお読みいただきありがとうございました。次回の「今日の一問・理科編」もお楽しみに!

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この記事を書いた人

東北大学大学院文学研究科・修士1年の楠です。 サークルでクイズをやったり、小説を書いたりしています。専門は考古学(主に平安時代の土師器)で、長期休み中は発掘調査であちこちに行っています。 「日常がクイズになり、クイズが日常になる」記事を書けるよう精進します。ご期待下さい!

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