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前ページ:はじめから挑戦したい方はこちらへ! 以下は問題の答えと解説です

解説

正解は『魔王』でした。

▲坊やをつかんで連れてゆく…… 

『魔王』は、「歌曲の王」という異名を持つ音楽家・シューベルトの代表曲です。

嵐の夜、熱を出した子供と、彼のために必死に馬を走らせる父親、そして子供が恐れてやまない「魔王」。ドラマティックな旋律を通じて、3人の対話が繰り広げられます。子供の死で幕を閉じる悲劇的なこの曲は、1815年に作られました。なんと当時、シューベルトは18歳。『魔王』は『野ばら』とあわせて、シューベルト初期の傑作として広く世に謳われています。

ヒント1:冒頭のメロディは馬が走る様子を表現しています

特徴的な冒頭の旋律は、皆さんも聞いたことがあるのではないでしょうか。

▲言われてみれば……

冒頭のピアノ伴奏は、馬の蹄鉄のリズムを表しています。他にも、迫りくる嵐の様子などもメロディで克明に描かれており、当時としては珍しい構成となっています。

ヒント2:ゲーテの詩に基づいて作曲されました

『魔王』は、世界を代表する文豪であるゲーテの詩に基づいて作曲されました。

曲の完成後、シューベルトの友人がゲーテに手紙を送ったそうなのですが、返事が来ることはありませんでした。『魔王』が斬新すぎたのか、ゲーテが忙しすぎて手紙を読まなかったのか、今となっては真相はわかりませんが、後にゲーテが『魔王』を聞いた際は、シューベルトのことを褒めたそうです。

ヒント3:「お父さん、お父さん……」のフレーズが有名です

『魔王』といえば、悲壮的な「お父さん、お父さん……」という歌詞で覚えていらっしゃる方も多いのではないでしょうか。幾重にも響く父への叫びは、どんどん音程が上がっていきます。その様子は、まるで子供の恐怖を反映しているかのよう。

『魔王』が作曲された背景として、シューベルト自身の親子間の不和が挙げられます。シューベルトの父は教師であり、作曲家を志すシューベルトと反りが合わず、ついには作曲を禁止されてしまったのだそうです。鬼気迫る「お父さん」は、シューベルトの心の声だったのかもしれません。


余談ですが、筆者の家族はドイツ語関係の仕事に就いているため、原文で歌わされました。トホホ。

……最後まで読んでいただきありがとうございます! ぜひ次回の「今日の一問・音楽編」にも挑戦してくださいね!

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この記事を書いた人

中川朝子

医学部6年生の中川朝子です。普段は小説を書いたり、美術館を巡ったりしています。中日ドラゴンズの大ファン。文理の架け橋となるような面白い記事を書きたいと思っています。よろしくお願いします!

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