解説
正解は、「トロンボーン」でした。
トロンボーンは「スライド」という管を動かして音程を変える金管楽器の一種で、なめらかに音の高さを変えることができるという特徴があります。
トロンボーンはかつて聖歌隊の伴奏によく使われ、「教会で使われる神聖な楽器」というイメージが定着していました。このことから、時に「神の楽器」とも呼ばれました。
神聖なイメージは作曲家の活動にも影響し、世俗的な音楽での使用を控える風習が根づいたため、古いクラシック音楽にはトロンボーンが登場しません。
しかし、このタブーをあえて破った人物がいました。かのベートーヴェンです。彼は有名な交響曲第5番(「運命」)に、交響曲(オーケストラのための大規模な楽曲)として初めてトロンボーンを取り入れ、以降広く音楽に使われるきっかけを作ったのです。
なお、トロンボーンが教会だけのものでなくなった要因のひとつには、財政難によりトロンボーン奏者が解雇され、軍楽隊や大衆の歌劇場に流れていったこともあるそうです。
トロンボーンが活躍する曲といえば、ワーグナー作曲の「ワルキューレの騎行」が有名ですね。こちらもぜひ聴いてみてください。
それでは、次週の「今日の一問・音楽編」もお楽しみに!
【前回の「今日の一問・音楽編」はこちら!】
【あわせて読みたい】