特殊なクイズの数々
「ドッキリには正直気付いていたんですが……」(木多)
リンカーンの像とお二人
伊沢「経験していないことといえば、今年もドッキリ企画、奇襲企画が多かったですね。正直、どれくらい想定していましたか?わかるもんですかね、ぶっちゃけ?」
寝起きドッキリは、あれでも気づいていました。
伊沢「寝起きドッキリ、中島さんが起きられずに、おふたりは全チーム中最下位でしたね……!」
去年の早起きドッキリが好評だったので、今年もあるだろうなと想定していたんです。
伊沢「おお!やはり去年の経験が生きてますね!なのになぜ最下位?」
早起きドッキリの前日の夜に、スタッフの方からゼッケンを渡されたので、正直に言うとそこで気付いていました(笑)。 なので、ある程度荷物はまとめていたのですが、中島さんが起きませんでした……。
前日、移動のバスで映画を3本も見せられたり、ホテルで筋トレさせられたり、血圧測られたり、ゼッケンを持って帰るように指示されたり不可解な事が多くて。
伊沢「露骨に怪しいですね。」
ベットに入って寝ようとしたその時、全部繋がって「明日寝起きドッキリくるな」と分かりました。でも眠くて起き上がって片付ける元気もなくて……。
伊沢「なるほど、もうここは寝かせたいスタッフと寝たくない高校生のバトルですね(笑)」
起きなかった言い訳をすると、元から朝が弱いのもそうなんですが、バスの中で皆が寝てる中、私は一人メモを取ってて、寝る前も予習してたので……。 スタッフさんを信じたことが敗因だったと思います(笑)。
伊沢「真面目にやりすぎちゃったんですね(笑)。 トランプホテルでのマナークイズはどうでしたか?」
ワシントンD.C.のトランプホテルでも、食事をするだけなのにわざわざテーブルの上にGoPro(小型カメラ)が置いてあったので、何かあるなとは思いました。
伊沢「福澤明さんが司会だった第18回では、同じようにテーブルマナーを観察されるクイズが行われていました。意識の中にありましたか?」
過去にマナークイズがあったのは知らなかったんですが、全国ネットで食事風景が流れるので、親に恥をかかせないためにも凄くマナーには気を付けました。
伊沢「なるほど、人として正しい、まっとうな方法ですね(笑)。」
バラマキクイズまで進んだ4校
「諦めました(笑)」(中島)
伊沢「ドッキリと並んで代表的な企画である「体力モノ」が今年もありました。バラマキクイズなどは、男女ペアだと大変だったのでは?」
持久力と走力以外が要求されればなんとかなると思っていたのですが、不幸にもバラマキクイズでしたね。
伊沢「バラマキは日本テレビの十八番ですからね!」
マラソンが元々苦手なうえに受験勉強のせいで運動不足だったので、諦めました(笑)。木多君には多大なる迷惑をかけたと思っています。
中島さんは「運動神経は悪くないから走れる」と言っていたのですが、見事に最下位でした(笑)。 とはいえ、一度順位が決まるともうそれが固定なので、それ程苦労はしなかったです。
伊沢「たしかに。バラマキクイズだと出題のタイミングでストップせざるを得ないから、解答回数がチームによって大きく違う、ということはないですもんね。 そういう意味では、バラマキクイズってテレビ的に良く出来てる!」
決勝、そして優勝!
「軽くゾーンのようなものに入った気がして」(木多)
伊沢「最初にもお聞きしましたが、決勝は自信がなかったとのことで。段々と点数が積み重なって、勝てるかも?となったのはどのタイミングでしたか?」
決勝が始まる前は一問も答えられなかったらどうしようと凄く不安でした。
そうですね、答えられず恥をかかないかのほうが心配でした。
序盤で「テトロドトキシン」(フグ毒)を早いポイントで押せたのと、「カタトゥンボの雷」(ベネズエラの自然現象)を答えられたあたりから、意外と戦えるなと思い始めまして。
いや、私は一切思いませんでした。 王手となってもなお開成が優勝すると思っていて、ウイニングアンサーの「ピラミッド」を答えた時も自信が無く、正解音が聞こえて頭が真っ白になりました。
僕達が正解した問題は、問題文の序盤で押して正解できたものが多くて。 オンエアされていないものも少なくありませんが、軽くゾーンのようなものに入った気がして、そのあたりからも勝てるかもしれないと思い始めました。
伊沢「そしてその後、開成高校の2度のリーチを凌ぎきり、ついに「ピラミッド」を正解して優勝!で、今回のインタビューの冒頭に戻るわけですね。」
はい、頭が真っ白に(笑)。
高校生クイズとは……
伊沢「ここまで長い間お付き合い下さりありがとうございました。最後に一つ、お二人にとって3年間の高校生クイズは、どのようなものでしたか?」
私を変えてくれたものです。
私は高1の夏に誘われるがままに高校生クイズに参加して、それがきっかけでクイズを始めました。 それから高校生クイズに参加する度にめったにできない経験をして、心から尊敬できる人と多く出会えました。それらは今の私に大きく影響を与えています。
伊沢「高校生クイズが視線を変えてくれたんですね。」
今振り返れば、クイズを始めてから知識だけではなく世界まで広がったように思います。 それらをもたらしてくれた高校生クイズ、そして誘ってくれた木多君に感謝をしています。
僕にとっては、「自分」を認めてくれるものでした。
先輩に誘われてクイズに出会うまで、いくら知識があってもただの物知りというだけで、あまり評価はされませんでした。 しかし、高校生クイズで優勝したことによって、家族はもちろん、様々な方から評価をしてもらえるようになり「自分という存在」を認めてもらえたような気がします。
しかし、高校生クイズで優勝したことによって、家族はもちろん、様々な方から評価をしてもらえるようになり「自分という存在」を認めてもらえたような気がします。
伊沢「まさに『高校生クイズドリーム』を掴んだ感じですね。」
僕らのような「ただの高校生」を日本一にしてくれた高校生クイズには本当に感謝しています。
伊沢「違った道からクイズに入ってきたふたりが、一緒に同じ目標を勝ち取って、また違ったものをそこに見出すのは、高校生クイズの懐の深さ故だと思います。」
伊沢「お二人とも今回はご協力、ありがとうございました!」
おふたりのインタビュー、いかがだったでしょうか。
ぜひ、これを読んでくださった中高生のみなさんは、来年以降の大会にも挑戦してみてください。
そして、高校生クイズに出られる人にも、出られない人にも、「クイズ」という世界は扉を開けて待っています。ぜひ、一歩目を踏み出してみてください!