▲今日のお昼ごはん。
僕は「常に寿司を食べたい」と思っているほど、お寿司が大好物だ。
酢の効いたシャリ、ピリッと辛いワサビ、新鮮な魚介類の絶妙なハーモニー。
「魚介類」といえば、読者の方からTwitterでこんな疑問が寄せられていた。
魚介類の「介」って何? 魚貝類じゃなくて魚介類なのはなぜなの?
ということで今回の「気になることば」は、魚介類と魚貝類の違いについて。
お寿司を食べながら、考えてみる。
魚介類と魚貝類の違い
いったん、魚介類と魚貝類の違いを自分なりに推測する。
魚貝類は魚と貝。そりゃそうだ。
魚介類は普通に読むと、「魚を介した類」。
……「魚を介する」ってなんだ? そういえば、生物はすべて魚から進化したという話を聞いたことがある。ということは、僕も魚介類なのか?!
変な思考をしてしまった。こういうのって脳裏に刻まれちゃうんだよな……。
答え合わせのため、辞書を引く。
【魚介類・魚貝類】
- 魚類と貝類。
- 海産物の総称。
とりあえず、僕は魚介類ではないらしい。なんかホッとした。
そんなことは置いておくとして、ひとつ見逃せない事実に気づいた。
……漢字違うのに意味一緒なんかい。
まさかの肩透かしを食らった。でも、何か違いがあるような気がしてならないので、別の辞書を引く。
【魚介/魚貝】
魚類と貝類。また、海産動物の総称。
[補説]タコやイカ、貝類などの軟体動物を含める場合は、ふつう「魚介」と書く。
ほう、「魚介」の方が、「魚貝」より意味は広いようだ。
▲図にするとこういう感じか……?
「介」の意味
ここで気になるのは、「介」という漢字の意味。
「仲介」など、「間に入るもの」という意味で使われるこの漢字だが、魚とセットで使われていることに違和感がある。他にどんな意味があるのだろうかと再び辞書を引く。
- 間に入る。なかだちをする。
- たすける。つきそう。
- 心にかける。
- かたいもの。よろい。こうらや貝がら。
- すけ。昔の官名。国司の次官。
様々な意味がある中で、注目すべきは4の意味。「魚介」と書くことで、貝だけでなく、殻や甲羅をもったえび、かになどの甲殻類も含まれるようだ。
そこからさらに意味が広がり、甲羅を持たないタコやイカなども「魚介」に含まれるようになったらしい。しかし、なぜそこまで広がったかについては解き明かせなかった。タコやイカはどうやって「魚介」への仲間入りを果たしたんだろうか……?
ということで、魚介類と魚貝類についてまとめると、以下のようになる。
- 現在では、どちらも「海産物の総称」として使われる。
- 厳密には、魚貝類には、魚と貝以外の海産物は含まれない。「介」の字がないことで、貝以外の殻を持った生き物が書き表されていないからだ。
「魚かい類」の「かい」をどう書くか迷ったときは、「魚介類」と書くことをオススメする。
おしまいに、今回僕が食べたお寿司の中から復習クイズを1問。
お昼の連載「気になることば」では、読者のみなさんの気になることばも紹介していきます。気になる言葉があれば、#QK気になることば でぜひ教えてください。