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こんにちは。鶴崎です。

世の中、数学はわからないものとされがちで、苦手な方も多いのだろうと思います。

今日はどんな人でもきっと数学が楽しめるようになるであろう本を持ってきました。

それは『数の悪魔』です。

ドイツの詩人、エンツェンスベルガー作の児童向け作品。小学生くらいの子どもであるロバートが、夢の中で赤い見た目の「数の悪魔」に数の世界を案内されるというあらすじです。

文章や絵のタッチは読みやすく、しかも数学の内容も非常にわかりやすいので、みなさんに、特にお子さんがいらっしゃれば、自信を持っておすすめできる一冊です。

それだけでなく、実は高校生以上の高度な内容まで散りばめられているというところもこの本のすごいところ。

一節を紹介しましょう。「数は無限にある」という数の悪魔の話が納得できないロバートに対して、数の悪魔が説明するところ。

「世界中で、チューインガムは何枚、噛まれたと思うかね?」

(中略)「もう何十億枚にもなるよ」

「少なくともな」と数の悪魔が言った。「そこでだ、一番最後のガムのところまで、やってきたとしよう。さて、それからどうするか。わたしがポケットからもう1枚ガムを取り出す。すると、これまでかぞえた全部のガムにもう1枚加えた数になる。これまでより大きな数だ。わかったかね。ガムの数をかぞえる必要なんてない。どうだ、簡単だろう。これで十分だろう」

このシーン、もちろん子どもでもわかる表現で、無限というのがどういうことか、つまりは「どんなに大きい数があっても、それより大きな数がとれるということだ」という高度で本質的なことを突いているのです。

細かくいうと、一口に無限といってもいろいろ異なる使われ方をすることがあります。
それどころか、「無限個」といったときにも何種類もの無限があるのですが、それは下にある問題で少しだけお見せします。

さてみなさんの腕試しということで、この本に紹介されている内容から5問クイズをつくりました。解説を次のページに載せています。どれくらいわかりますか?

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この記事を書いた人

鶴崎 修功

つるさき・ひさのり です。東京大学数理科学研究科の博士課程を卒業しました。クイズを通して私と読者のみなさんが一緒に知に触れていけるような活動をしたいと思っています。

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