こんにちは。法学部に在籍している森川です。
皆さんは「仮釈放」という制度をご存知ですか?
刑事ドラマやニュースなどで耳にしたことがある人もいるかと思います。しかし、「仮釈放」といってもイマイチどのようなものかわかりませんよね。
今回は、仮釈放の定義や何のためにあるのかについて学んでいきましょう! きっと今後のニュースをより深く理解できるようになりますよ。
仮釈放とは?
仮釈放とは、刑務所などにいる受刑者が一定の基準をクリアすると、本来の刑期に先立って刑務所を出られることをいいます。しかし、仮釈放が認められると刑務所から永久に出られるかといえば、そうとは限りません。稀に取り消されることがあります。
ではまず、どのようにしたら仮釈放は認められるのでしょうか?
認められる基準は厳しい
やはり刑期に先立って刑務所外に出られるだけあって、その要件は厳しいです。刑法上仮釈放が認められる基準は以下の通りです。
- 刑期が定まっている場合、3分の1以上刑期が経過した者
- 刑期が定まっていない場合、10年以上刑期が経過した者
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改悛の状が認められる者
※改悛……悔い改め心を入れ替えること
最初の2つを見ると、時間が経過すればほぼすべての受刑者が出所できてしまいそうです。しかし、仮釈放が認められにくいのは最後の基準があるからなのです。平成27年度犯罪白書によると、服役期間が7割経過した段階で仮釈放が認められた割合はたったの1%です。
「改悛の状」は、その基準も規則によって色々定められていますが、最終的にはあらゆる要素を総合的に見て判断されます。また、身元引受人も必要になります。これは適格な身元引受人による適切な監督があれば再犯を抑制できると期待されるからです。
意義は更生と社会復帰
このように、要件も厳しく取り消されることもある「仮釈放」ですが、なぜそのような制度が設けられているのでしょうか?
主な理由としては、以下の2点が挙げられます。
更生を助けるため
仮釈放が認められると保護観察下におかれ生活指導等を受けることになります。受刑者は、この保護観察を通して自らの犯罪行為について反省し更生するのです。刑務所に入れるのとはまた違った更生の形を提供することが目的となっています。
新たなスタートを助けるため
新たなスタートを切りやすくなるという利点もあります。仮釈放が認められると刑期に先立って出所することができ、その分早く社会に復帰できます。
ちなみに、現在も活躍されている実業家の堀江貴文さんも仮釈放が認められたうちの一人です。
おわりに
仮釈放は、受刑者に改悛の状が認められて、一定期間服役した後、実際の刑期に先立って一時的・永続的に刑務所を出られる制度。そして、その意義は更生促進、再犯防止、社会復帰への足掛かりでした。
あまり馴染みのない言葉も知っておくと、ニュースをより深く理解できます。これからも、よく知らない言葉を見つけたら、調べてみましょう!