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株式会社JERA

こんにちは、大学院で博士課程に在籍しているユウです。

音楽を聴くのが好きで、普段から音楽配信サイトで新しい曲を探して、研究中に聴いています。

ただ、ひとつ不便に思っていることがあります。それは、

歌の曲名がわかりづらすぎること

例えば、SMAPの『世界に一つだけの花』。大好きな曲ですが、タイトルしか知らない人にとって「その花」が何を表すのか、イメージするのは難しいのではないでしょうか。

せっかく素敵な曲なので、その曲がどんな曲なのか、曲名だけで大体わかるようになってほしい

そこで登場するのが、博士学生の味方である――

▲博士学生の心の友

そう、「論文」です。論文とは、さまざまな研究者が成果を示す重要な文書。それだけに論文の顔であるタイトルは、意味がわかりやすく、非常に端的です。タイトルを見ればその論文が何を伝えたいのかをすぐに理解することができます。素晴らしい。

この記事では、もしも博士しかいない世界にヒットソングがあったら、という仮定で楽曲を論文のようにわかりやすくしてみたいと思います。

※この記事における楽曲の解釈は、筆者個人の見解によるものです。

『世界に一つだけの花』

平成を代表する超有名曲、『世界に一つだけの花』。博士しかいない世界だったら、こんなタイトルになっていたのではないでしょうか。

ぐっとわかりやすくなりましたね。せっかくなので、アブストラクト(論文の内容を数百字程度でまとめた概要)をつけて論文の形式にしてみました。

▲SMAPら(2003)による楽曲『世界に一つだけの花』。2003年にシングル・ヴァージョンのCDが発売されました。

素晴らしい。我ながらいい感じにできたので編集部のみなさんにも事前に読んでもらうことにしました。ちなみに、研究の世界では、論文を第三者が読んで内容を審査することを「査読」といいます。

【編集部の反応】

  • 余計にわかりづらくなった
  • パラダイムシフトとか出てきちゃった
  • 著者にちゃっかり自分を入れるな
  • 「提案した」が妙に謙虚
  • アブストラクトの1行目でバブル崩壊してるんだが?

バブルとは突然崩壊するものです。いくつかの貴重なご指摘をいただくことができたので、さっそく次の論文に生かしていきましょう。続いてはこちらです。

『うっせぇわ』

Adoさんによる大ヒット曲、『うっせぇわ』をわかりやすくしてみました。

▲Adoら(2020)による『うっせぇわ』

『うっせぇわ』も背景から理解しやすくなりましたね。タイトルの文字数が約8倍になっていますが、問題はナシです。

【編集部の反応】

  • もっとうっせぇわ。
  • わかりやすさとは? 正しさとは? 愚かさとは?
  • 「チェッカーズら(1983)や尾崎(1983)」は先行研究だったのか
  • 英文タイトルの「Showa-era Bad Boys」はやたらかっこいい
  • Adoさんも困惑しかない

議論が活発になってきましたね。研究が注目されているいい証拠です。ちなみに、「チェッカーズら(1983)や尾崎(1983)」はチェッカーズが1983年にリリースした『ギザギザハートの子守唄』と、同じく1983年にリリースされた尾崎豊の『15の夜』を指しています。1983年はいわゆる「不良ソング」が豊作ですね。

※アブストラクトで既往研究を引用することはあまり多くはありません。本文中では、数多くの既往研究が登場します。

『マル・マル・モリ・モリ!』

最後に、2011年にヒットした『マル・マル・モリ・モリ!』をわかりやすくしました。芦田愛菜さん、鈴木福さんが出演したドラマ『マルモのおきて』(フジテレビ系列)の主題歌です。

▲薫ら(2011)による『マル・マル・モリ・モリ!』。

こちらもいい感じにできました。『マル・マル・モリ・モリ!』を食育に展開して議論するというのは、かなり画期的ではないでしょうか。

【編集部の反応】

  • 『マル・マル・モリ・モリ!』って食育ツールでしたっけ?
  • それでも論文っぽくなるのが悔しい
  • 犬(ムック)も著者になれるんだ
  • 論文のアブストが「ニッコリ笑顔になることが明らかになった」で終わっていいわけないだろ
  • 愛菜ちゃん、福くん、早く逃げて!!!!

もしも世界に博士しかいなくなったら

知見がたまってきましたね。ということで、博士しかいない世界のカラオケランキングがあったとしたら、こんな感じになるのではないでしょうか。

圧巻ですね。「初めて挑戦するから歌えないかも」という不安が起こり得ないほどのわかりやすさです。

【編集部の反応】

  • もはや学会のプログラムじゃん
  • デンモクの履歴にこれがあったら嫌すぎる
  • 店員さん入ってきたときめちゃくちゃ気まずくない?
  • これまでのタイトルのありがたみを実感できる画像

編集部からも驚きの声が上がっていますね。論文に限らず、タイトルの大切さが伝わっていてよかったです。

論文風タイトルのわかりやすさを十分に感じていただいたみなさんへ、最後はクイズでお別れしましょう。

これは何の曲でしょう?

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この記事を書いた人

ユウ

東北大学大学院で防災を研究しています。楽しく読んでいたら自然と知識が身につく記事を目指して、私自身も楽しみながら記事を書いていきます。

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