Q4
はじめに - 論理回路について
……とその前に、まずはこの問題で使う論理回路の基本的な説明をします。
論理回路とは、論理演算ができる電子回路のことで、その演算は「0」か「1」かで行います(「0」がOFF、「1」がONだと置き換えるとわかりやすいです)。
基本的な論理回路としてAND回路(論理積回路)、OR回路(論理和回路)、NOT回路(否定回路)の3つが挙げられます。
これらの図記号と、入出力の関係を示した真理値表は以下のようになっています。
AND回路は2つの入力がどちらも「1(ON)」のときだけ出力が「1(ON)」になりますが、OR回路はどちらか片方だけでも入力が「1(ON)」であれば出力が「1(ON)」になります。NOT回路は「0(OFF)」と「1(ON)」を反転させることができます。
これらの論理回路を組み合わせることで、様々な表現が可能になります。たとえば、以下の論理回路をみてみましょう。
この回路の入力はA・B・Cの3つあり、出力はXの1つだけです。まず左のOR回路をみてみましょう。この回路の入力はAとBにつながっています。つまり、A・Bのどちらか(もしくはどちらも)が「1」のとき、その出力は「1」となります。そして、右のAND回路は、先ほどみたOR回路の出力とCが入力になっています。そして、これら2つの入力が「1」のときに出力が「1」となります。
つまりこの回路は、AかBのどちらか(もしくはどちらもが)「1」であり、かつCが「1」のとき、出力Xが「1」となる回路だといえます。
ここから問題
S航空会社は新しい旅客機を購入することにした。
この旅客機にはトイレが3つ(それぞれをA・B・Cとする)あり、3つのうちどれか2つ以上が使用中になったら混雑を知らせるランプを点灯させる。
入力Aは、トイレAが使用中の場合には「1」、空いている場合には「0」とする(B・Cも同様)。出力Xは、混雑を知らせるランプが点灯する場合に「1」、点灯しない場合に「0」となる。
このとき、これを表現するための論理回路は以下のようになる(注:回路の線が交差している部分について、ノード(黒い点)がある部分はつながっているが、ノードがない部分はつながっていない)。
※「令和7年度大学入学共通テスト試作問題『情報Ⅰ』」(https://www.dnc.ac.jp/kyotsu/shiken_jouhou/r7/r7_kentoujoukyou/r7mondai.html)より改題
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