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VTuberの因幡はねるさんが企画やクイズなど、普段の活動について自由に語る連載「因幡はねるの #更新予報」。

第4回となる今回は、自身が経験した「子宮体がん」についての話。見過ごしていたという違和感と、手術を終えた今だからこそ「伝えたい」こととは?

▲前回の記事はこちら!


最近7カ月ぶりの新衣装を発表しました。

VTuberでいう「新衣装」というのは、お洋服が新しくなった新モデルのことを言います。私の今回の新衣装は和風ロリメイドです。可愛い~!

▲おひろめ配信

今回の記事は少しだいじなお話です。ぜひ女性の読者様、身近に女性がいる男性の読者様には読んでいただきたいです。

実はわたし、今年(2023年)の7月6日に手術をしました。病名は「子宮体がん」です。初期だったので3カ月経った今、すっかり元気です。応援してくださった皆さんや現代医療に感謝しています。

ところで皆さんは「子宮体がん」と「子宮頸がん」の違いって知っていますか?

「子宮体がん」は子宮の本体、「子宮頸がん」は子宮の入口にできるがんです。
「子宮体がん」は細胞の異常、「子宮頸がん」はウィルス性です。
「子宮体がん」は50代以降の閉経後の女性に多く、「子宮頸がん」は若い世代に多いがんです。

私はこの2つの違いを知らなかったことで、病気の発覚までにかなりの時間がかかりました。

気づけなかった「違和感」

最初の違和感は2019年でした。

下腹部が少し張る感じと少しの痛みがあり、生理痛や貧血も酷かったので婦人科を受診。子宮頸がんの検査をしましたが異常はありませんでした。「子宮体がんの検査は年齢的に可能性は低い」ということでされませんでした。

そのまま2020年6月になり、やはり下腹部の痛みが気になってまた別の婦人科へ行きました。ここで別の婦人科へ行ったのは、引っ越しをしていたためです。これが発覚が遅れてしまった原因の一つでもあります。

この時、自分の身体に対して「何かおかしい!」と感じていたものの、上手く説明ができませんでした。「下腹部の痛み」というのが他に例えようがない種類の痛みなのです。当時は激痛というわけでもなく、一般生活には支障のないレベルだったのもあります。しいていうなら「子宮が締め付けられる痛み」「生理痛の酷いやつ」みたいなイメージでしょうか。しかし子宮頸がんの検査をしても異常なし。ここでも子宮体がんの検査は年齢的に可能性は低い、ということでされませんでした。内診でも異常は見当たりませんでした。

「子宮が痛い」と思い込んでいた私は、子宮頸がんでも子宮内膜症でも無かったことにより、「この痛みはいったいなんなんだ!?」とヤキモキしていました。「下腹部の痛み」と検索して可能性のある「大腸がん」を疑って、大腸内視鏡検査へ。

▲「大腸内視鏡検査」のエピソード

色々面白いエピソードはありましたが、異常なしでした。

原因不明のまま生活を続け、痛みがどんどん増してきました。同時に、貧血も悪化していきました。

お手洗いへ行く前と行った後の痛みが強く、うーーーーーっと2、3分うなされることもありました。新曲のMVの撮影中に病院から電話がきて「血液検査のフェリチンの値が低すぎる(貧血)」と言われたこともありました。しかし病院へ行っても何の病気か全くわからず……もやもやしていました。

とうとう2022年の年末、生理が月2回来るという異常事態が起きました。

ただでさえ元々生理痛が重い体質で、月2回も来るとまともに生活がおくれません。しかも年末の歌フェスも控えていました。この時は本当につらかった……! ダンスの練習も1回ドタキャンしてしまい、皆に迷惑をかけてしまいました。

今だから言える話なのですが、この頃は友人と遊ぶ約束などしても当日貧血で動けなくなることが多く、ドタキャンしてしまうことが多々ありました。「貧血」というと嘘と思われちゃうかなと思って別の理由を言ってしまうこともありました。でもこの時期の貧血はそれくらい本当に酷くて辛かった……。犬の散歩中のうんちを拾うためにしゃがむだけでも倒れそうな時がありました。

人間ドックを受診したものの……

年末の歌フェスを乗り切った1月、「下腹部の痛みの悪化」と「貧血の悪化」が気になり、人間ドックを受診。フルコースにチェックを入れたのですが、レディースクリニックの欄は選択式で、年齢的にオススメされた乳がんマンモグラフィー検査と子宮頸がん検査のチェックを入れました。数週間後の結果、異常なし。

心の中ではこの下腹部の痛みは重病なのじゃないか、と疑っていたので安心しました。……安心してしまいました。

安心していた1月末、あまりの生理の重さに部屋中が血まみれになるという事件が起きました。(耐性が無い方すみません!)さらに数日後、2回目の生理も襲来。「これは絶対におかしい!」と思って、ラジオとブルーレイオーディオコメンタリーの収録の合間にスタジオ近くの病院へ駆け込みました。

先生「子宮がん検査は受けていますか?」
私「はい。今月人間ドックを受診し、異常はありませんでした」

このやり取りが良くありませんでした。子宮体がんと子宮頸がんは別の病気だということを知らなかった私は、子宮頸がん検診しか受けていないのに「受けた」と答えてしまったのです。

記憶があいまいなのですが、先生はこの時「子宮体がん」についても聞いていたかもしれません。病気に詳しくなかった私は人間ドックで検査済みだと思ってすべて「受けた」と答えてしまいました。

先生「子宮内膜が分厚いけど生理前だからかな~」※子宮体がんだと子宮内膜が分厚くなるらしい。この時は知らなかった……。

この時のやり取りも配信で報告しています。(性病の検査をされてびっくりしたので笑)

▲配信では何でも話します

ここまで何度も病院へ行っているのに発覚しなかった大きな原因は2つあると思います。

まず1つめは「子宮体がん」と「子宮頸がん」の違いを知らなかったこと。子宮頸がんの検査ですべて分かると思っていましたし、そもそも何が違うのかもよくわかっていませんでした。そのせいで「子宮頸がん」の検査を受けていれば子宮の関する病気は大丈夫だと思い込んでいました。

そして2つめは毎回違う病院を受診していたこと。1つの病院に何度もかかっていれば、年齢的に可能性は低いとはいえ、検査を勧められていたことでしょう。また子宮体がんの検査をしてないことを病院側で把握できていたことでしょう。

3月のサンリオピューロランドのイベントが終わり、この頃には慢性的な不正出血(生理が何度も来ていると思っていた)と貧血がかなり悪化していました。そして運命の4月2日、大量出血に怖くなり日曜診療がある婦人科を急いで探して受診しました。

先生「子宮体がんの検査はしてるの?」
私「たいがん……?たぶんしてると思うんですけど、何度も婦人科へ行ってるし、人間ドックもしてるし……」
先生「してるの?してないの?どっちなの?(怒り気味)」
私「(なんか怖い先生だ……)人間ドックフルセットやったんですけど、よくわからないので今やってください」

ここで初めて「子宮体がん」の検査を行いました。

先生「子宮内膜分厚いし、子宮体がんもありえるね~ホルモン異常の可能性もあるので血液検査もしましょう」

全ての検査が終わり、私の頭の中は「子宮体がんってなんだ……?」でいっぱいに。子宮頸がんとは別物なのか?今まで何度も婦人科を受診していたけれど、まさか子宮体がんの検査はしていなかったのか? 帰宅して速攻人間ドックの結果を漁り「子宮体がんの検査はしていなかった」ことが発覚。私はここで、自分の病気が「子宮体がん」であることを確信しました。

【次回へ続く……】

筆者プロフィール

因幡はねる(いなば・はねる)

ななしいんく所属のVTuber。

毎日の生配信や動画投稿、テレビ出演や音楽ライブ出演など幅広く活動中。

2022年には新曲『独占予報』をリリース。2023年3月にはサンリオピューロランドでソロイベント「因の者オフ会 ~絶対ガチ恋宣言~」を開催した。

【前回の記事はこちら】

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QuizKnock編集部

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