こんにちは、セチです。
私たちの顔には、眉毛というものがあります。顔の形が似ているゴリラやチンパンジーには、ありません。
進化の過程で、他の部分の毛は薄くなっていきましたが、髪の毛などとともに眉毛は残りました。
なぜ、人間の顔には眉毛があるのでしょうか?
眼を守るため、表情をつくるため
眉毛は、額(おでこ)と眼の間に位置し、落ちてくる汗やゴミを眼に入りにくくしたり、光を遮ったりする役割があります。一方で、眉毛は表情を作る上で欠かせないものでもあります。
「なぜ眉毛が残ったか?」ということについての定説があるわけではありませんが、近年の研究で重要視されているのは後者、すなわち表情を作るピースとしての役割です。
眉毛の進化は表情の進化
人間の祖先は、現在に比べて大きく出っ張った眉弓(びきゅう、眉毛の下にある骨)を持っていました。昨年(2018年)発表された論文では、この眉弓が平たくなったことで、眉毛がより目立つようになり、より動かしやすくなったことが示唆されています。
眉毛の大きな動きによって、人間はよりバリエーションに富んだ表情を作ることができるようになり、様々な感情を伝えることが可能になりました。
眉毛で友好関係を築けるように?
またこの論文では、出っ張った眉弓は他者を威圧し、優位性を示すためのものであったのに対し、眉毛は友好的な態度を示し、協力関係を築くのに役立ったものではないか、という説も示されています。
眉毛の発達によって仲間を作りやすくなり、力を合わせることができたことで人類が生き延びた、という見方もできるでしょう。
つまり、眉毛は人間社会に必須のコミュニケーションツールとして残されてきた、というわけです。
「眉毛のおかげで人類が生き残った」と考えると、なかなか感慨深いですね。鏡を見たときくらいは、この説を思い出してみるのも良いかもしれません。