こんにちは。福良です。
いやーもうすぐ節分ですね。豆まきと恵方巻きのシーズンです。
あの恵方巻きって恵方に向かって巻き寿司を食べるから恵方巻きですよね。
「今年の恵方はどの方角だっけ~~」と思って調べると色々な所で「2017年の恵方は北北西です!」と紹介されていると思います。
しかし! それは正確にはウソなんです!
おおざっぱに結論を言うと、「今年の恵方は北北西よりちょい右」なのです。
では、何故ウソなのか? 実際はどこを向いて食べればいいのか? それを解説していきましょう。
目次から各項にリンク出来るようにしておきます。手っ取り早く真実を知りたい人は、最後の項までジャンプ!
目次
そもそも恵方とは?
「恵方」という言葉を辞書で引くとこう説明されています。
え‐ほう〔ヱハウ|エハウ〕【恵方/▽吉方】
その年の十干(じっかん)によって定められる、最もよいとされる方角。その方向に歳徳神(としとくじん)がいるとされる。吉方(きっぽう)。明(あ)きの方(かた)。
つまり、歳徳神という神様がいる方角を恵方と呼ぶのです。
歳徳神は陰陽道の神様で、その一年の福徳をつかさどっています。歳徳神のいる方向はとてもめでたく、縁起がいい、万事に吉とされる方角です。しかし、歳徳神は毎年引っ越ししちゃうんです。だから毎年恵方は違う方角になるという訳ですね。
で、その方角が何によって決められるかというと、その年の十干(じっかん)だと書かれていますね。
では十干とは何であり、どうやって決められているのか、それを見ていきましょう。
十干って何?
十二支はみなさんご存じだと思いますが、十干のことはご存じでしょうか。
毎年「その年の十二支」というものがあり、十二支は12年で一周しますよね。それと同じように、毎年「その年の十干」があり、10年で一周しています。
よく十二支のことを干支(えと)と言ったりしますが、正確には十干・十二支を合わせて干支なのです。
十二支は動物の名前がついていますが、十干はもう少し長い名前がついていますので、そこから解説していきましょう。
まず、古代中国では5つのもので全てのことを解釈しようとしていました。この考え方を五行説といい、その5つの要素を五行といいます。具体的には、木・火・土・金・水の5つを指して五行と呼びました。
さらに、この5要素それぞれも陰と陽の2つに分けることが出来ると考えました。これで陰を兄、陽を弟として「木の兄」「木の弟」「火の兄」「火の弟」「土の兄」「土の弟」「金の兄」「金の弟」「水の兄」「水の弟」と10種類に分けられました。これが十干になります。
五行の木・火・土・金・水は普通「もっかどこんすい」と読まれますが、日本風に読むと「き・ひ・つち・か・みず」(火を「か」と読んでしまうと後々混乱するので注意!)となります。そして兄・弟は「え」・「と」と読みます(干支の読み方もここから来ています)。つまり、上に挙げた10種類は「きのえ」「きのと」「ひのえ」「ひのと」「つちのえ」「つちのと」「かのえ」「かのと」「みずのえ」「みずのと」と読むのです。
これらは中国の表記を用いて甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸と表すことが多いです。すなわち、甲の一文字で「きのえ」と読み、「癸」の一文字で「みずのと」と読みます。
この10種類が毎年順番に回ってきます。今年の2017年は「ひのと」。去年はお兄さんの「ひのえ」です。ここ2年間が火兄弟なので次の2年間は土兄弟の担当で、来年はお兄さんの「つちのえ」、再来年はその弟くんの「つちのと」という感じです。次に「ひのと」の年が来るのはちょうど10年後なので2027年ということになりますね。
先ほど書いたように、「干支」とは本来は十干・十二支のことです。ということで、「今年の十二支」は「酉(とり)」ですが、「今年の干支」は正確には「丁酉(ひのととり)」です。
60歳の祝いを還暦というのは干支の考えに由来しています。2017年の次に「丁酉(ひのととり)」が来るのは60年後の2077年です。そこで、2017年に生まれた人が2077年になると「干支が還(かえ)ってきた」ということを祝って「還暦」というわけですね。
さぁ、ここまで「年」を指す十干について説明してきました。しかし、「方角」を指すのにも十干は用いられます。名前は同じように「甲(きのえ)」などが使われます。では十干がどんな方角を表すのかを見ていきましょう!
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