Bonjour! チーズ大国フランスに住んでいる望月です。
ブルーチーズやカマンベールは好きですか?
ブルーチーズの青い部分やカマンベールの表面はカビでできています。ほかの食品にカビが生えていたら慌てて捨てるのに、なぜチーズのカビは食べられるのでしょうか。
今回は、ブルーチーズを例にとって説明していきます。
ブルーチーズは作る過程でカビを加える!
ブルーチーズに使用される青カビは、正式名称をPenicillium(ペニシリウム)といい、数百種類存在します。ロックフォールチーズを作るならPenicillium Roqueforti(ぺニシリウム・ロックフォルティ)など、チーズごとに使用されるカビの種類が異なります。
また、ブルーチーズを作る際の環境も重要です。ブルーチーズは、温めた牛乳にカビを加えたのち、気温は10℃前後・湿度は最低80%といった、細かく設定された環境下で3か月間かけてじっくり熟成させ、作られます。
ちなみに、パンがかびたときに生えるのも、同じ青カビです。では、なぜチーズに生えたカビは安全なのでしょうか? それは上述したように、徹底管理された環境下で低温熟成されるから、そしてチーズのタンパク質のおかげで、毒素が発生しづらいからです。
ノーベル賞と青カビ
病院から抗生物質を処方されて飲んだことはありますか? 実は抗生物質の多くは、このペニシリンからできています。
1928年イギリスの医者アレクサンダー・フレミングが、実験中に偶然青カビからペニシリンを発見しました。その後、これを製品化した病理学者ハワード・フローリー、化学者エルンスト・チェインの2人とともに、世界初の抗生物質を発見した功績を讃えられ、1945年ノーベル生理学・医学賞を受賞しています。
おわりに
フランスは世界三大ブルーチーズのひとつ、ロックフォールの生産国です。町中にチーズ専門店があり、ブルーチーズだけで何種類も置いてあります。
▲私がよく行くチーズ専門店(Terroirs d’Avenir)
私が好きなのはヤギのブルーチーズです。パンと一緒に食べることも多いのですが、柿・クルミ・蜂蜜と併せる食べ方もおすすめです。生ハムメロンを彷彿とさせる、甘じょっぱさがたまりません。ぜひ試してみてくださいね。
【あわせて読みたい】