問題の解説
第1問
正解は「人工の月を打ち上げ、太陽光を反射して照らす」でした。
中国、四川省の省都である成都市で、「人工の月」を打ち上げる計画が持ち上がっています。
この計画は、表面を特殊な素材でコーティングした人工衛星を用いて、月のように太陽光を反射させることで街灯代わりに夜の街を照らす、というものです。
人工月の明るさは月光の8倍にもなる見込みで、もしプロジェクトが成功すれば、成都市の電気代が年間200億円程度、削減できるとしています。
人工月は2020年までに打ち上げられる予定ですが、特定の都市を照らし続ける技術面の難しさに加えて、夜が明るくなり過ぎることで生態系への悪影響を及ぼす可能性も指摘されており、実現はまだ不透明です。
ちなみに、今回の計画は「街灯に使われる電気代の節約」がベースとなっていますが、日本の街灯(防犯灯)の電気代って、誰が支払っているのか気になりませんか?
日本の場合、地方自治体や設置者が支払うケースもありますが、場所によっては近所の町内会費から支払われていたりもします。
町内会費の支払いを拒否した結果、自分の家の周囲だけ街灯が撤去された、というケースもあるようですので、ご注意を。
第2問
正解は「チョコレート」でした。
愛媛県が、ブリの餌にチョコレートの成分を加えた「チョコブリ」を開発しました。
魚の切り身は時間経過により変色しますが、「チョコブリ」ではチョコレートに含まれるカカオポリフェノールが酸化を抑えることで、5日もの間、新鮮な色合いが保たれます。
愛媛県はこれまで、ミカンの皮を餌に混ぜて育てた「みかんブリ」を開発していますが、「チョコブリ」の方が色合いが長持ちするそうです。https://t.co/DpXNUnRnAv
— 毎日新聞 (@mainichi) 2018年10月23日
愛媛県では過去にも、みかんの皮の抗酸化作用を利用した「みかんブリ」を開発しましたが、ブリはみかんの皮よりもチョコレートが好みらしく、嫌がらずに餌を食べてくれるようです。
気になる味についてですが、通常のブリと比べて、味や香り、食感などに違いはありません。この技術は他の養殖魚にも応用できるとして特許出願されており、早ければ12月中にも試験販売が始まります。
第3問
正解は「政府開発援助」でした。
日本政府は、1979年から続けている中国に対するODA(Official Development Assistance / 政府開発援助)を、今年度を最後に終了することに決めました。
中国はすでに世界第2位の経済大国であり、同3位の日本が「援助」することに対する批判が強まっているためで、中国政府も承諾する見込みです。
対中ODAは、これまで3兆6500億円あまりが拠出され、中国国内のインフラ整備や環境対策などに役立てられてきましたが、今後は日中が対等な立場で協力していく体制づくりを模索していくことになります。
ODAとは発展途上国に対して先進国が援助などを行う仕組みで、返済義務のある有償資金協力や、返済義務のない無償資金協力、人材や技術の交流を行う技術協力など、相手国の状況に応じた援助が行われます。
ちなみに日本は一方的な援助国に思われがちですが、実は戦後から長い間、ODAによる援助を受けていた被援助国でした。
その1つが、アメリカが拠出した「ガリオア資金」と「エロア資金」で、現在の価値に換算して総額およそ12兆円(うち無償は9兆5000億円)という巨額援助です。もちろん、これらの援助が無ければ、日本の戦後復興は無かったといえるでしょう。
他にも、世界銀行から多額の援助(有償。現在の価値で6兆円ほど)を受けて、東海道新幹線や東名高速道路などのインフラ整備をしています。ちなみに、これら有償援助の返済がすべて終わったのは、1990年7月です。意外と最近ですね。
誤答選択肢にある「経済協力開発機構」の略称はOECD、「国際協力機構」の略称はJICAです。