問題の解説
第1問
【28日から2日間の日程で、アジアインフラ投資銀行の年次総会が開催されました。さて「アジアインフラ投資銀行」を略称で、何というでしょう。】
正解は「AIIB」でした。
28日から2日間の日程で、AIIB(アジアインフラ投資銀行)の年次総会が開催されました。
開幕式では、中国の習近平国家主席が演説し、新型コロナウイルスの感染拡大以降、加盟国・地域へ多くの経済支援を実施したと評価。またAIIBを、多国間協力の新しいモデルにしなければならないと訴えました。
AIIBとは、「Asian Infrastructure Investment Bank」の略称です。アジアインフラ投資銀行、と訳されます。
これは中国の主導で2015年に発足した銀行で、新興国に対し、インフラ整備にかかる資金を貸し出すことが主な業務です。
当初は57か国が創設メンバーでしたが、現在の加盟国は100か国を超えています。ただし日本やアメリカなどは、運営面での透明性や公平性への懸念があることから、現時点では加盟していません。
誤答選択肢の「APEC」はアジア太平洋経済協力の、「ASEAN」は東南アジア諸国連合の略称です。
第2問
【南米エクアドル本土のEEZと、同国領であるガラパゴス諸島のEEZに挟まれた公海上で、大規模な中国漁船団の操業が確認され問題に。「EEZ」とは日本語で何のことでしょう。】
正解は「排他的経済水域」でした。
南米エクアドルの沖合で、およそ260隻からなる中国漁船団が操業しているのが確認されました。
操業が確認されたのは、南米エクアドル本土のEEZと、同国領であるガラパゴス諸島のEEZに挟まれた公海上です。
世界遺産ガラパゴス沖に中国漁船260隻、フカヒレ狙いか…自制要求も「公海上で合法的だ」https://t.co/STt3cND1Uv#国際
— 読売新聞オンライン (@Yomiuri_Online) July 28, 2020
そのため中国政府は合法的としていますが、エクアドル側は生態系への影響を懸念しており、またEEZ内へ進入する懸念もあることから、監視を強めています。
ガラパゴス諸島といえば、多くの固有種が生息しており、ダーウィンが進化論の着想を得たことでも知られる島で、島だけでなく、その周辺のガラパゴス海洋保護区もユネスコの世界自然遺産に登録されています。
さてEEZとは、「Exclusive Economic Zone」の略で、排他的経済水域を意味します。
その排他的経済水域とは、その沿岸国に、水産資源や海底の鉱物資源などの経済的な権利が認められる地域です。沿岸から200カイリ(およそ370km)までの範囲で設定されます。
誤答選択肢の「領海」や「接続水域」については、先日の朝Knockで触れていますので、間違えた方は復習がてら、遊んでみてください。
第3問
【日本銀行が本格的な実証実験を開始する準備を進めている、「中央銀行デジタル通貨」を略称で、何というでしょう。】
正解は「CBDC」でした。
日本銀行が、中央銀行デジタル通貨(CBDC)の実証実験に向けて、準備を始めています。
CBDCとは、その英語表記「Central Bank Digital Currency」の略で、「中央銀行の債務として発行される、電子的な法定通貨」を指します。
現在、我々が日常で使っている現金は、日本の中央銀行である日本銀行が発行しています。これをデジタル化したものがCBDC、と書くとイメージしやすいでしょうか。
つまりビットコインなどの暗号資産(仮想通貨)とは違い、「中央銀行が発行する」というのがポイントです。
現金同等の機能が必要とされるCBDCには、様々な面で課題があり、現時点では日本で発行する計画はありません。
しかし、中国が数年内にも「デジタル人民元」を導入すると見られているなど、世界的に注目されており、その研究は不可欠なものとなっています。
誤答選択肢の「CDC」は、アメリカのアメリカ疾病予防管理センターの意味です。新型コロナウイルスの感染拡大に伴い、日本でもよく目にする略語となりました。
また、電子メールでよく目にする、同じメールを本来の宛先以外にも送信する場合に使う「CC」は、「Carbon Copy」の略です。「カーボン紙による複写」が転じた表現ですね。