問題の解説
第1問
正解は「4000円」でした。
オーストラリアの消化器疾患センターでは、条件を満たす健康な人の便を1回50オーストラリアドル(およそ4100円)で買い取っています。
これは最近注目されている便微生物移植に使うためのもので、便を提供するドナーが不足していることから買い取りを行っています。このような買い取りのシステムは、アメリカの一部でも行われているようです。
便微生物移植とは、健康な人の便を患者の腸内に入れることで腸内細菌のバランスを回復させるという治療法です。病気によっては、便微生物移植で劇的な改善が見られたものもあります。
日本でも大学病院などで便微生物移植の臨床研究が始まっており、ゆくゆくは一般的な治療法になると思われます。
ちなみにオーストラリアの買い取りは、週に5回まで行えます。週給20000円のアルバイトと考えると、かなり魅力的ですね。
しかし、治療に使えるようにするには新鮮な便である必要があり、出してから2~3時間以内に届ける必要があります。
第2問
正解は「バヌアツ」でした。
オーストラリアのメディアが10日、南太平洋に浮かぶ島国バヌアツで、中国が軍事拠点を建設する可能性があると伝えました。
バヌアツはオーストラリアの東、ニュージーランドの北に位置しており、この位置に中国の軍事拠点ができることは周辺国の安全保障を揺るがすため、オーストラリアや同盟国のアメリカは警戒感を募らせています。
これに対し、中国、バヌアツの双方は、「フェイクニュース」として報道を否定しています。
なお、中国が国際法を無視して軍事要塞化を進めている南シナ海問題について、バヌアツは世界でも数少ない、中国に賛同している国です。
また、バヌアツの周辺でも南シナ海問題で中国を支持する国はあり、太平洋での中国軍事拠点建設の動きが事実であれば、今後はバヌアツだけに留まらない可能性もあります。
第3問
正解は「国際観光旅客税」でした。
日本から出国する際に1人1000円を徴収することを定めた「国際観光旅客税法」が11日に国会で可決、成立しました。2019年1月7日から施行されます。新税の導入は、1992年に施行された「地価税」以来となります。
対象となるのは、2歳以上の航空機または船舶により出国する者です。ただし乗務員や、24時間以内に出国する乗り継ぎ客、外交官などは対象外です。
ここで、「航空機または船舶により出国」だったら「他の手段を使って出国すれば1000円払わなくて済むのでは?」という疑問を持たれた方もいるかと思います。
確かに泳いで海を渡ったり、忍者や悪魔の実の能力者が海の上を歩けば、船も飛行機を使わず出国できますよね。またロケットや気球、パラグライダーなどは、法的に航空機ではないようなので行けそうです。
しかし出入国管理及び難民認定法(入管法)により、出国手続を経ない出国は刑事罰の対象です(入管法71条)。一年以下の懲役・禁錮、もしくは30万円以下の罰金になります。ですので水蜘蛛の術をマスターされた忍者の方は、ご注意を。
また、ホバークラフトや水陸両用車を思いついた方はアウトです。どちらも水上の走行は法的に船舶となりますので、国際観光旅客税法の対象になると思われます。
誤答選択肢はいずれも存在しない税ですが、「国外転出時課税制度」というものはあります。これは1億円以上の資産を持っている人が国外転出したり、国外の親族などへ贈与などをした際に、所得税が課税される制度です。