こんにちは! ライターのハルです。皆さんは、カメレオンを見たことはありますか?
カメレオンといえば、体の色を変えることができる不思議な性質がよく知られています。
▲そう、こいつである
では、カメレオンがどうやって色を変えているかはご存じですか?
実はその仕組みが明らかになってきたのは、ここ最近のことなのです。
秘密は皮膚の下の「透明な」結晶に
カメレオンの皮膚の下には、ナノサイズの小さく透明な結晶がたくさん存在しています。この結晶の間隔が変わることで、カメレオン(パンサーカメレオン)は体の色を変えることができると2015年にスイスの研究チームが発表しました。
「透明」な結晶なのに、さまざまな色を表現できるのが不思議ですね。これには光の反射が関係しています。
結晶の間隔が狭いと、青色の光を強め合って反射するため、私たちの目にはその部分が青っぽく見えます。また、結晶の間隔が広くなると、黄色や赤色の光を強め合って反射するため、赤っぽく見えるのです。
▲色素ではなく、表面の凹凸が原因
このように微細な構造によって生まれる色のことを、構造色といいます。
ちなみに、これらの体の色はカメレオンの「気分」によって変わるとされています。カメレオンが興奮すると、青っぽい色から赤っぽい色に変化するそうです。
また、目立たないようにカモフラージュする姿の印象が強いカメレオンですが、体色を変化させる主な理由は異性の気を引く、威嚇するなど、他のカメレオンとのコミュニケーションをとるためだとされています。目立つための性質だったわけですね。
こんなところにも構造色
実は構造色はカメレオンだけでなく、クジャクの羽や玉虫など、さまざまな所に存在しています。また構造色は、角度によってさまざまな色に変化します。
▲クジャクの羽ってこんな色
動物だけでなく、身近な物のなかにも構造色が隠れています。
CDやDVDの裏側が虹色に輝いて見えるのも構造色が理由です。CDやDVDの裏側には小さな凹凸がたくさんあり、反射した光が干渉することで虹色のように見えます。このように、小さな構造によって色がついて見える構造色は、身の回りにたくさんあるのです。
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