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アナホリフクロウの「穴掘り」事情

アナホリフクロウが穴を掘る姿は、実際どれくらい見られるものなのですか?
あのー、頻繁に見られますね
えっ、掘るんですか!?
はい。他の生き物が掘った穴を使うということは耳にしていたので、巣穴を準備したこともあります。でも、自分たちで穴を掘って繁殖してしまいました。
わざわざ新しく掘ったんですね……。

▲今年(2023年)7月に生まれたヒナたち。親の掘った巣穴が落ち着く?

アナホリフクロウが穴を掘る作業には、ある程度時間がかかるんですか?
速いです。(即答)
速いんですか!
手を入れても届かないくらいの深さの穴を、一晩で掘ってしまうんです。アナホリフクロウの脚は指先からかかとまでの長さや全体の長さが長く穴掘りに特化した形状なのかもしれません。

▲絶妙なポーズで、長い脚を見せてくれた

野生のアナホリフクロウは、都合のいい巣穴を見つければ利用することもあるんでしょう。そういう場合でも、さらに穴を掘り進めたりして自分に都合のいい空間を作っているんだと思います。
あまり穴が浅いと、天敵に襲われる可能性もありますからね。
人前だと、あまり穴を掘る様子は見せないんです。これは、無人のセンサー付きカメラを使って撮れた穴掘りの映像です。

▲足で豪快に砂をかき出す(0:40〜)

貴重映像だ……!

「アナホリフクロウ」ならではの苦労

そんなアナホリフクロウですが、お世話する上で気をつけること苦労することはあるのでしょうか?
穴を掘るスイッチが入ると、無限に掘りだしちゃうんです。
あ……。
それで、掘ったところから地面が地盤沈下のように崩れてしまうこともあるんです。なので、場合によっては掘った穴を埋め直す作業が必要になります。
フクロウたちからすれば「なんで埋めるん……」みたいな。
で、埋めた翌日にはもう掘りだしている。

▲繁殖期になると、穴掘りスイッチが入る模様

他のフクロウの飼育ではやらない作業ですよね。苦労するといえばします。

とにかく「見ていて飽きない」フクロウ

ではあらためて、他のフクロウにはないアナホリフクロウの魅力や、面白いと感じる部分について教えてください。
まずはやっぱり、名前の通りに「穴を掘る」ということ。それから、地面をトコトコ歩いたり、いきなり飛び上がったり、木にとまったりもする。こんなにバリエーション豊かな動きを見せる種は、アナホリフクロウだけだと思います。

▲こちらは飛ぶ練習中のヒナ。元気いっぱい

あとは、サイズ感ですね。
かわいいですよね!!!
フクロウってもっとずんぐりむっくりしたイメージがありますけど、アナホリフクロウの体長は20cmくらい。
確かに、木の上にドーンと君臨している感じではありませんね。
鳥なんだけど、小動物みたいに思えます。なんとも言えない魅力ですね。

▲「見ていて飽きないし、見続けているといろんな発見があるんです」

たくさんの貴重なお話をうかがったところで、もう一度大宮公園小動物園のアナホリフクロウたちに会いに行きます。

次ページ:動物園内のフクロウ家族をご紹介! 他にも珍しい動物がたくさん

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この記事を書いた人

木村 真実子

東京大学4年生の木村です。生物素材化学について勉強しながら、作問したり早押ししたりしてクイズを楽しんでいます。好きなものはJ-POP・広島東洋カープ・フクロウなど。身の回りを見渡すのが少し楽しくなるような記事を目指します。よろしくお願いします。

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