こんにちは! 人体解剖学が大好きな村上アリサです。
みなさんは採血や点滴の経験がありますでしょうか? どちらも血管に針を刺す行為です。
そのとき、血管の状態や体型、年齢、皮膚の厚み、色などによっては、血管が見つかりづらいということがあります。

腕をじっと見つめられたり、触って血管の位置を探されたり。それでもなかなか見つからないと、ちょっとドキドキしてしまいますよね。
しかし、世の中には、そんな見つかりづらい血管を“見えるようにする”ための装置が存在します。
その名も、静脈可視化装置!
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— アズワン株式会社 (@AS_ONE_Official) October 7, 2022
静脈可視化装置
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静脈中心線補助モードがあり穿刺箇所の判断に役立ちます。
静脈深度の判断補助機能付きです。
画像撮影、データ保管により、治療前後の血流の比較が可能です。
穿刺のストレス軽減に繋がります。https://t.co/iuTv06vsgb pic.twitter.com/JG1GkPhgKE
装置から出る光を腕に当てるだけで、普段は皮膚の下に隠れている静脈がはっきりと目に見えるというもの。
……めっちゃ面白くないですか?
静脈が見えちゃうんですよ!?
こちらの装置、主に医療現場で使われているのですが、私は家でも手軽に使ってみたいという衝動に駆られます。



ということで、購入してみました。

先ほど紹介した製品とは異なる、お手頃価格のものです。
この装置は一体、どんな仕組みで血管を可視化させるのでしょうか? そして、血管は私たちの腕にどんな道筋を描いているのでしょうか?
今回は、この静脈可視化装置で実際に遊んで、確かめてみましょう!

静脈可視化装置
百聞は一見にしかず。まずは、実際に装置で腕を照らしてみましょう。
ちなみに私の前腕掌側はこんな感じ。

BMIは約20の普通体重で、皮膚は標準的な厚さであると自覚しています。色は白めでしょうか。
BMI:体重と身長から算出される肥満度を表す体格指数。体重(kg)÷身長(m)÷身長(m)で求められる。

浮き出て見える血管は、手首のあたりのみ。その他の部分はじっと目を凝らせば何となく見える程度です。
やはり、血管の位置の全体像は見えづらいですね。
装置をセッティングしましょう。

装置の説明書をよくよく見てみると、今回私が購入したものは、パソコンの画面上で静脈の位置が確認できるとのことで、どうやら皮膚の上には映し出されないようです。完全に私の確認不足でした(何やってんだお前ェっ!!!!)。
皮膚の上に映し出してほしかった……! が、仕方ないですね。

設置が完了したところで、早速照射していきます。





めっちゃ見えるやん!!
これ、本当に私の手ですよ! (パソコンの画面をスクリーンショットしています。)

見えづらかった部分もはっきりと見えます。

これは私が気に入った部分です。平行すぎて美しい。

ただただ感動して、照らすだけの時間が過ぎておりました……。
肉眼では何となくしか見えていなかった血管が、これほどはっきり見えるとは。一体、どういう仕組みで映し出されているのでしょうか?
装置の原理
多くの静脈可視化装置は、目には見えない赤外光を照射します。

照射された赤外光は皮膚を通り抜け、皮膚の下にある組織へ届きます。このとき、静脈の周辺にある組織では赤外光が反射されます。
一方で、静脈血内に多く含まれる酸素と結合していない状態のヘモグロビンには赤外光を吸収する特性があるため、静脈は静脈の周辺組織に比べて反射する赤外光の量が少なくなります。

静脈可視化装置は、この反射される赤外光の量の違いから、静脈の位置を割り出しているのです。
今回私が買った装置はディスプレイで分析結果を見るタイプでしたが、冒頭で紹介したより高度な装置になると、プロジェクターのように皮膚上に投影することまでできるようですね。

動脈を装置で照らしても見えにくい理由は、動脈に多く含まれる酸素と結合したヘモグロビンが、酸素と結びついていないヘモグロビンと吸収しやすい赤外光の波長が異なるため、周囲組織との光学的なコントラストを利用しづらいからです。
さらに、動脈は静脈より深い位置を走っていることも多いため、一般的な静脈可視化装置では動脈を確認するのは難しいとされています。
装置の意義
静脈可視化装置は主に、採血や点滴など、静脈に針を刺す処置(静脈穿刺)が行われる場面で活躍します。
静脈穿刺では、医療者が目で見たり指で触れたりして血管を見つけ、針を正確に刺す必要があります。しかし、血管の太さや位置は人によって異なりますし、年齢や体型、皮膚の厚さなどによって、血管を見つけるのが難しいことも少なくありません。
そして、一度でうまくいかなければ、もう一度針を刺すことになりますね。針を刺される患者にとって、痛みをもう一度感じる負担と、不安や恐怖などの心理的負担がかかるのはもちろん、神経損傷などの合併症や感染、医療者側の針刺し事故などのリスクにもつながります。

そんなときに役立つのが、静脈可視化装置です。装置を使えば、皮膚の上から見えづらい静脈の位置や走行を確認しなければいけない状況での医療者の判断を助けることができますし、穿刺の成功率が上がって患者さんの負担を減らすことができます。
静脈可視化装置の有用性は各国でも検証されており、穿刺できる血管を探す時間が短縮されたり、初回の穿刺で成功する割合が高くなったりした事例が報告されています。
また、美容医療の現場では、注射をする際に皮下の静脈の位置を確認し、血管を避けるためのツールとして使用されており、様々な現場での活用が期待されています。
静脈可視化装置……装置自体のメカニズムも、様々な場面で活躍している事例も、知れば知るほど面白いですね。
そして何より、実際に使ってみると本当に血管がよく見える!
腕の一部分に装置を当てるだけでも、普段は意識していなかった血管が次々と現れます。ただ、当たり前ですが、装置で一度に見られるのは、あくまで照らした部分のみです。
そうなると、気になってくるのが……
私の血管はどんな風につながっているんだろう?

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