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こんにちは、小南です。

皆さんはお風呂に入るとき、湯船につかりますか? それともシャワーで済ましますか?

わたしはなるべく湯船につかるようにしていて、特に疲れた日には入浴剤を使っています。

▲最近のお気に入りは定番のバブ

入浴剤を入れると普段より身体がポカポカになりますし、泡を出しながら溶けていく様子を見るのも楽しくて大好きなんです。

ところでこの泡はどのようにして発生するのでしょうか? 今回の記事では「入浴剤をお風呂に入れると泡が出る理由」について紹介します。

お風呂の中で「化学変化」が起こっていた!

入浴剤をお風呂に入れると泡が出る理由は「化学変化により炭酸ガス(二酸化炭素)が発生しているから」です。

主に入浴剤には炭酸水素ナトリウム(重そう)と有機酸(フマル酸、コハク酸、リンゴ酸など)が含まれており、お湯に溶かすと化学反応が起こります。

例えば炭酸水素ナトリウムとフマル酸が反応すると、このように二酸化炭素が発生します。これこそが泡の正体なのです。

▲炭酸水素ナトリウムとフマル酸の化学変化

炭酸ガスが出ると良いことあるの?

では入浴剤を入れたときに炭酸ガスが発生すると、なにか良いことがあるのでしょうか。シンプルに見ていて楽しいから?

いいえ、それだけではないんです。炭酸ガスが溶けたお湯に入ることで、体内の血行が良くなる効果があるのです。

炭酸が入ることで血管が膨張する

体内では、肺で吸い込んだ息から酸素が、消化管から栄養が血管に取り入れられ、毛細血管や組織に運ばれます。組織ではそれらを用いてエネルギーやタンパク質など細胞の再生に必要なものが合成されます。その結果、老廃物として炭酸が生成され、炭酸は静脈を通って肺から吐き出す息に排出されます。

炭酸ガスの分子は非常に小さいため、炭酸ガスが溶けたお湯に入ると皮膚を通過し血管に入り、血管内で炭酸ガスの比率が高まります。すると組織で酸素・栄養が消費されたということになり、さらに酸素・栄養が必要だという信号が発されます。よって血管が拡張され、血行が改善されるのです。入浴剤を入れると普段より身体がポカポカする理由はこれだったのか……!

▲炭酸の体内での働き

入浴剤の効果は他にも!

皮膚汚れが落ちる&浴槽の掃除が楽に

入浴剤には血行改善の効果があることがわかりましたが、他にも皮膚に溜まった皮脂を落とし、肌をすべすべにする効果や、浴槽の掃除を楽にする効果もあります。

これらの効果が出る理由は、炭酸水素ナトリウムから生じるイオンHCO3-が水と反応することでアルカリ性を示すためです。

▲炭酸水素ナトリウムと水の反応

炭酸水素ナトリウムが水と反応することで水溶液中のOH濃度が増加するため、炭酸水素ナトリウム溶液はアルカリ性を示します。アルカリ性の溶液は酸性のものを中和することができるため、お風呂に入浴剤を入れることで酸性である皮脂汚れを落としたり、水回りのぬめりを取るのが楽になったりするのです。


入浴剤は普段から使っていましたが、こんなに多くの効果があるなんて驚きでした! 冬の到来を感じる今日この頃、皆さんもお風呂に入浴剤を入れてゆっくりしてみるのはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

小南

小南です。名古屋大学大学院工学研究科航空宇宙工学専攻所属。「楽しく読んでいたら、いつの間にか知識も身に付いていた!」と思っていただける記事を提供するべく日々奮闘中。皆さんの一時の気晴らしとなることができれば幸いです。

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