こんにちは、セチです。
1日が24時間とされるようになった経緯はこちらの記事で説明しました。
では、なぜ1時間は60分で、1分は60秒なのか。
今回は、さらに細かい時間の区切りが決まった過程について見ていきましょう。
紀元前2000年の時代から伝わる60進法
1日を等しく24時間に分けることを提案したのは、紀元前2世紀のギリシアの天文学者・ヒッパルコスでした(前回記事参照)。
ヒッパルコスら天文学者は、天文学的計算に60進法(60ごとに位が上がる方法)を用いていました。
60進法は、紀元前2000年頃のバビロニアの人々が様々な計算に用いており、ギリシアの人々はそれを受け継いだ形になります。
なぜ「60」という数字を使ったかは明らかではありませんが、60は2~6までのすべてで割り切れる最小の数であり、割り算などの計算において非常に都合が良いことなどが理由として考えられます。
「分」「秒」の由来は角度
バビロニア人は、太陽の位置の移動から1年がおよそ360日であることも把握しており、これを元に円周を360の部分(=度)に分ける方法も作り出したとされています(こちらの記事も参照)。
そしてヒッパルコスは、このバビロニア人の考えを元に、経線によって地球上を360の領域に分割することを考案しました。それまでに存在していた緯線のシステムを拡張するような形です。
60分割して、さらに60分割
その後、紀元150年頃の天文学者プトレマイオスが、ヒッパルコスの考えをさらに拡張しました。その考え方とは、緯線・経線の360度をさらに60の部分に分け、それをさらに60分割するというものです。
こうして、60分の1度を1とする「分」、60分の1分を1とする「秒」という角度の単位が生まれました。角度の「分」「秒」は、現在でも測量や天文学で利用されています。
そして、この名前と60分割の考えは、中世になって時間の分割に使われるようになり、現在知られている時間の単位としての「分」「秒」が登場した、と考えられています。
なお、分や秒にまで時間を分ける考え方は、機械式時計が進歩するまで実用的な意味をほとんど持たず、分を表示する最初の機械式時計が登場したのは16世紀になってからでした。
おまけ
仕事の勤怠管理などで、その日の実働時間を10進法で表すことがあります。たとえば、「7時間30分」働いたら「7.5時間」と書くように。
この計算、なかなか手間取ってしまうもの。いっそ覚えてしまおう! と思い、表にまとめましたので、ぜひ覚えて活用してください。