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株式会社JERA

こんにちは! 村上です。

みなさんは毎日、天気予報をチェックしていますか?

「今日の最高気温は36℃です」

最近はこんな予報がずっと続いています。今日は危険な暑さだ……と身構えてしまいますよね。

でも、ふと疑問に思いませんか? ヒトの体温も約36℃です。それなのに、なぜ36℃の外気は“ちょうどいい温度”ではなく、“暑い”と感じるのでしょうか。

実は、この疑問を理解するカギは“ヒトは常に熱を作り続けている”という点にあります。さらに、そもそも、なぜヒトの体温は36℃前後なのか? という疑問までさかのぼると、生物の進化にもつながるおもしろい話が見えてきます。

なぜ体温と同じ気温が暑い?

熱の産生・放散

そもそも私たちの体は、たとえ平熱で安定しているときであっても、常に熱を生み出し続けています

ヒトは体の中で呼吸によって入る酸素と、体内の糖や脂肪、タンパク質などの有機物が反応することでエネルギー(熱)を生み出し、これを消費することで生命活動を維持しています。これをエネルギー代謝といいます。

エネルギー代謝にもいくつか種類があります。心臓を動かす、呼吸をする、脳で考える、筋肉を動かすなどといった身体を最低限動かすために行われる代謝(基礎代謝)や、運動や家事といった日常生活の活動による代謝(活動代謝)、食事によって体の中に入ってきた栄養素を体内で分解し、消化・吸収することによる代謝(食事誘発性熱産生)など。

熱が産生され続けると、どんどんと体温は上昇する一方ですよね。体温を約36℃に保つためには、作られ続ける熱を外へ逃がす必要もあるのです

ヒトの体は、主に皮膚の血管を広げて熱を放出する、呼吸によって熱を逃がす、汗を蒸発させて体を冷やす、などの方法で熱を逃がしています。

この中でも特に効果が大きいのが汗による冷却です。汗そのものが冷たいのではなく、汗が蒸発するときに体の熱を奪うことで、体温を下げています。

熱の性質

熱は、高温のものから低温のものへ移動する性質があります。例えば、熱いコーヒーが自然に冷めるのは、コーヒーの熱が周囲の空気へ移動するからです。

ヒトの体でも同じことが起こっています。体温の方が外気より高く、外気温との差が大きい場合、皮膚から空気へ熱が逃げていきやすく、体温調節は難なく行えます。

しかし、外気温が36℃近くになると、体と空気の温度差がほとんどなくなりますね。すると、皮膚から熱を逃がしにくくなってしまい、36℃の気温を暑いと感じてしまうのです。

また、同じ36℃でも、今日は特別暑いなと感じる日がありますよね。その原因の一つが湿度です。湿度が高いと、汗が蒸発しにくくなります。すると、体の冷却システムが十分に働かず、熱が体内にこもりやすくなります。風が吹くと少し涼しく感じるのは、汗の蒸発を助けてくれるからです。

もっと体温が高いほうが快適なのでは?

ここまでの説明を踏まえると、外気温よりも体温が高いほうが暑さを感じにくいということになります。では、そもそもなぜヒトの体温は36℃前後なのでしょうか? 体温が45℃くらいあれば真夏でも快適に過ごせそうなのに……。

ヒトの体温が36℃前後になった要因はいろいろあると考えられますが、高い体温を維持するためにはより多くの食料が必要になる、ということが要因の一つとして挙げられそうです。

体温が高いことのメリットとして、体内の化学反応が進みやすくなるという点があります。先ほど説明した、体内の糖や脂肪からエネルギーを生み出す過程はまさに化学反応です。この反応の速度が遅いと、例えばスポーツのような、急激にエネルギーを消費する活動は難しいかもしれません。

一方で、高い体温を維持するためには、それだけ多くのエネルギーが必要です。つまり、体温を高く保とうとすれば、より多くの食料を摂取しなければなりません

だから、体温は高ければ高いほどよいわけではないのです。体内の化学反応を十分に進められ、なおかつ体温を維持するためのエネルギーを確保できる温度。そのバランスがとれた結果として、現在のヒトの体温があると考えられます。

ちなみに、体温を45℃まで上げることはできるのでしょうか

現在のヒトの体の仕組みのままでは、難しいと考えられます。その理由の一つが、酵素の働きです。酵素は体内の化学反応を進めるために欠かせないタンパク質で、それぞれに適した温度があります。ヒトの体内で働く酵素は、36℃前後の環境で効率よく働きます

さらに、温度が高くなりすぎると、タンパク質そのものの立体構造が崩れる変性が起こります。酵素もタンパク質なので、変性すると本来の働きができなくなってしまいます。

まとめ

私たちの体は生命活動によって絶えず熱を生み出しているため、その熱を外へ逃がし続ける必要があります。しかし、外気温が体温に近づくと熱を放出しにくくなり、体に熱がこもりやすくなってしまうのですね。

そして、約36℃という体温そのものにも、進化の過程で獲得した絶妙なバランスが隠されているのかもしれません。

近年の日本は、毎日のように猛暑日が続くことも珍しくありません。

暑さの仕組みを知ることは、熱中症対策を考えるうえでも役立ちそうですね。

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この記事を書いた人

村上アリサ

関西在住の大学生。好きな動物はヒトです。人体のしくみの解説・検証を中心に、楽しく学べる記事をお届けできればと思います。

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