QuizKnockのメンバーは誰もが何らかの形でクイズと関わりながら過ごしていて、クイズに対する熱い思いを内に秘めた人が大勢います。好きなものはやっぱり語りたい!
ということで始まりました「思い出のクイズ」のコーナー! ライターがこれまでに出会った印象深い1問を、そのエピソードと共に紹介していきます。クイズの新たな魅力を発見できるかも?
初回は私ソフロレリアが語ります。選んだクイズはこちら!
舞台は陵桜学園高等部。美水かがみの描く/4コマ
2007年に放送された『第27回高校生クイズ』。その決勝戦での問題だ。
このときソフロレリア少年は中学3年生。当時今ほどは市民権を得ていなかったオタクカルチャーを日陰ながらに楽しむ受験生だった。前回、前々回と連覇した地元の高校・埼玉県立浦和高校が前人未到の3連覇に挑む様を、少年は何の気なしに眺めていた。
「さあ、汽笛にも応援されながら――。参りましょう、問題。舞台は――」
電流が走った。
日陰に置くべき(と勝手に思っていた)文化を自信満々に、さも当然かのように白日の下に晒す姿が、否応なしに格好良く思えてしまったのだ。さらに彼らは波状攻撃を仕掛ける。
「問題。ポケモン、映画10周年を記念した新シリーズのタイトル。史上空前のド迫力バトル!『ディアルガVS/パルキア――」
ヴァンテアン号(※)の上で正解する――。気付けば応援していた高校は準優勝に終わってしまったが、少年に夢を抱かせるには十分すぎる衝撃だった。
※第27回をはじめ幾度となく決勝の舞台となった船
時は流れて翌年4月、クイズ研究会の門を叩いたところから私のクイズ人生は始まる。あのとき「高校生クイズ」を観ていなかったら、浦和高校が勝ち残っていなかったら、そしてあの問題が出されていなかったら……。ネットでは「オタククイズに嬉々として答える高校生」という構図がネタとして人気を博した問題なのだが、ズレた捉え方をした私の人生はかくしてターニングポイントを迎えたのだった。
はてさて浦和高校は3年後、奇しくも再び準優勝に甘んじた第30回大会でまたしてもネットをざわつかせることになるのだが、この話はまた次の機会に取っておこう。
ちなみに私が高校に入学した年に「高校生クイズ」は大きく路線変更し、ヴァンテアン号も2020年に運行が終了。叶わぬ夢となってしまいました。
みなさんがクイズに興味を持ったきっかけは何ですか?