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クイズの解説

Q1

この作品は、葛飾北斎の連作『冨嶽三十六景』のひとつ『凱風快晴がいふうかいせい』です。

富士山が朝日を浴びて赤く染まる姿から、「赤富士」の通称で知られています。山頂付近はまだ暗いことから、夜が明けて富士の色が変わる瞬間を描写していることがわかり、一瞬を切り取る北斎の凄さが感じられる作品です。

現在、日本のパスポートには『冨嶽三十六景』のうち24作品がデザインされており、この『凱風快晴』もそのひとつです。

Q2

この作品は、歌川広重の連作『東海道五十三次』のひとつ『原 朝之富士』です。朝焼けをバックに雪をかぶった富士山を描いています。

東海道には、原宿はらしゅく(現在の静岡県沼津市)という小さな宿場町がありました。原宿近くの街道で立ち止まる男女と、画面からはみ出るほど偉大な富士山の構図が大変印象的です。

心なしか、『凱風快晴』と構図が似ているようにも見えますね。

Q3

この作品は、歌川広重の連作『名所江戸百景』のひとつ『大はしあたけの夕立』です。ゴッホが模写したことでも有名な作品です。

隅田川にかかる大はし(現在の新大橋)で夕立に降られ、慌てて橋を渡る人々が描かれています。対岸の街並みが雨でかすんで見える様子や、上部の黒い雨雲など、広重の表現力の高さが光る名作です。

Q4

この作品は、葛飾北斎の連作『諸国瀧廻り』のひとつ『下野しもつけ黒髪山きりふりの滝』です。

霧降きりふりの滝は、現在の栃木県日光市の男体山(別名:黒髪山)のふもとにあり、日光東照宮の参拝者が多く見物に来た滝です。特徴的な藍色と泡立つ水を表現した白色が、2段に分かれて流れ落ちる水の激しさを伝えてくれます。

Q5

この作品は、歌川広重の最晩年の連作『冨士三十六景』のひとつ『駿河薩タ之海上するがさったのかいじょう』です。葛飾北斎の『冨嶽三十六景』とは別の作品です。

『冨士三十六景』の中には、先に出版されていた北斎の富士に影響を受けた作品もあり、『駿河薩タ之海上』もそのひとつです。沖に出た船から描いたと思わせる「手前に大波、奥に富士山」という構図は、一見北斎の『冨嶽三十六景』のひとつ『神奈川沖浪裏』に似ています。

▲葛飾北斎『神奈川沖浪裏』


北斎や広重が活躍した時期には、宿場町や街道の整備が進んだことで江戸の街に旅行ブームが訪れました。そして臨場感あふれる彼らの風景画はガイドブックのような役割を果たしました。皆さんも、浮世絵を手に旅行に行ってみてはいかがでしょうか?

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この記事を書いた人

Hirotaka

早稲田大学文化構想学部OBのHirotakaです。学士(文学)。2023年3月をもってQuizKnockを卒業しました。2023年4月以降新規の執筆は行っておりません。

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