こんにちは、藤島です。
今年も終わりに近づいてきましたね。テレビやスーパーなどで、2024年の十二支である「辰」のイラストを見かける機会が増えていくでしょう。
そのなかで、もしかすると「2024年の干支は辰」というフレーズが聞こえてくるかもしれません。
しかし本来の意味では、来年の「干支」は辰ではないのです。
実際の来年の干支は「甲辰(きのえたつ・こうしん)」なのですが、あまり聞き馴染みがありませんね。この記事では、「干支」の本来の意味を紹介していきます。
「干支=十二支」ではない
干支とは「十二支」と「十干」とを組み合わせて決まる、暦の数え方のことです。つまり、干支は「子、丑、寅……」のように12種類の動物を表す「十二支」だけで決まるものではありません。
「十干」とは、古代中国で日を10日周期で表すために用いられていた呼び名です。10日周期なのは10日を「一旬」とすると「上旬、中旬、下旬」で1カ月となるためのようですが、時代が経つと月や年を表すのにも用いられるようになりました。
十干は順番に、甲、乙、丙、丁、戊、己、庚、辛、壬、癸という文字が当てられています。
「干支」は身近なところにも
「『甲辰』みたいな表現を見たことがない!」という方も多いと思います。しかし、日本でも古くから干支を用いた名称が使われているのです。
たとえば、高校球児たちの聖地として知られる「阪神甲子園球場」。これは、「甲子」の年にあたる1924年に完成したことから名付けられました。
▲現在の甲子園球場
他にも、日本史上のできごとの中には干支を用いて呼ばれるものがたくさんあります。672年に起きた「壬申の乱」、1868年に始まった「戊辰戦争」などがこの例です。
中国や韓国でも干支は用いられており、中国での「辛亥革命(1911~1912年)」や朝鮮南部での「甲午農民戦争(1894年)」なども、名前に干支を冠しています。
ちなみに、干支と西暦の関係は「西暦を10で割った余りが4の年の十干が甲、12で割った余りが4の年の十二支が子」になっています。それぞれ「甲」「子」から始まるため、十干と十二支の順番を覚えていれば、西暦から干支を計算することができます。
新しい年を迎えるたびに、十二支だけではなく、十干も知ることで、歴史との意外な接点が見えてくるかもしれません。
干支についてもっと知りたい方はぜひこちらをご覧ください。
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