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こんにちは! コナン好きライターの綾香です。

現在、映画『名探偵コナン 隻眼せきがん残像フラッシュバック』が公開されています!

公開されて早2カ月が経ちましたがみなさんは見に行きましたか? ちなみに私は公開当日に見に行きました。ハラハラドキドキするストーリー展開で、最初から最後までずっとスクリーンに釘付けでした。

諸伏高明ってどんな人?

そんな今回のコナン映画、舞台は長野県ということで長野県警のキャラクターが登場します。

その中でも「諸伏高明もろふしたかあき」というキャラクターは、作中の登場人物の中でもかなり高い推理力をもっている一方で、『三国志』をはじめとした漢文調の言葉を使ったセリフが多く、その難解さで度々周りを困惑させます。

長野県警の同僚、大和敢助やまとかんすけは幼なじみで、諸伏のことを名前の音読みで「コウメイ」と呼んでいます。

今回の映画の背景となる事件では、捜査中に行方不明になった大和の無念を晴らすため、諸伏が無茶な捜査をして事件を解決したことで所轄(※)に飛ばされてしまいました。

※所轄署:各都道府県に置かれる警察本部に対し、ある特定の地域を管轄する警察署のこと

ショカツに飛ばされたコウメイということで、作中では諸葛孔明しょかつこうめいの登場する『三国志』など、漢文に絡めた発言をすることが多いのかもしれませんね。

この記事では、諸伏高明の難解な名セリフを解説していきます!

けんに見えんと欲してその道にもってせざるはほ入らんことを欲してこれが門を閉づるがごとし」

これはコミックス第65巻「死亡の館、赤い壁」より、諸伏高明が初登場した際のセリフです。

直訳すると「賢人に会うために道理に外れた行いをするのは、すなわち自分で門を閉じるようなものだ」となり、意味としては「賢人に会うなら道理を大切にしなければいけない」となります。

これは、劉備りゅうび孔明こうめいを迎え入れるときに孟子の言葉を引用したもので、有名な「三顧さんこれい」はこの際の行動として知られています。

▲三顧の礼

大和敢助が事件解決のために毛利小五郎を長野県まで連れてきたにも関わらず、へっぽこな推理をする小五郎に対して暴言を吐く姿を見て、諸伏がこの言葉で大和をたしなめました。

それにしても、初登場からこんな長セリフとは……難解なキャラという設定がよく伝わりますね。

鞭声べんせい粛々しゅくしゅくよる かわを渡る」

これはコミックス第87巻「県警の黒い闇」より、犯人を捕まえる際のセリフです。

意味としては「むちの音もさせないほど静かに敵陣に向かうこと」を指しています。実はこれは中国文学ではなく、日本の文人・頼山陽らいさんようの漢詩『川中島』の一節です。その名の通り、「川中島の戦い」を舞台とした漢詩です。

▲川中島の戦い

川中島の戦い」とは、上杉謙信武田信玄によって繰り広げられた戦いです。この言葉は、上杉が武田の陣地へ向かうため夜中静かに川を渡った場面を詠んでいます。その後、武田は大いに驚いたものの結局上杉は武田を討ち取ることはできずに終わってしまったとも詠まれています。

夜遅くに山中で大和敢助を殺そうとした犯人を見越して、既にその周りを包囲していた諸伏高明。元の詩では敵を討ち取れませんでしたが、諸伏は無事犯人を逮捕することができました。

ねずみとうずるに器をむ」

これはコミックス第96巻「キッドVS高明 狙われた唇」より、怪盗キッドに対する警備の手厚さを言ったセリフです。

意味としては「ねずみを退治するのに、そばにある器が壊れるのを心配してものを投げられないこと」となり、転じて「君主のそばの悪臣を排除しようと思っても、主人を傷つけることを恐れてできないこと」を指します。

▲イメージ図

キッドに狙われた宝石を氷漬けにすることで守ろうとする諸伏が、中森警部(キッドのライバル刑事)に「氷なんて削ってしまえば宝石を盗まれてしまうだろう」と言われ、「キッドは宝石を傷つけるのが怖くて削ることはできないだろう」と返した際の言葉です。

実際にキッドがどのようにしてこの宝石を攻略するのかは、ぜひエピソードを読んでみてください。

へい詭道きどうなり」

これは映画『隻眼の残像』より、犯人を追い詰める際に放ったセリフです。

意味としては「戦とは敵を欺き惑わすことだ」となります。春秋戦国時代の兵法書『孫子』から「始計篇」での言葉です。『孫子』は戦略や戦術について説いた兵法書で、かの有名な「風林火山」の出典でもあります。

▲『孫子』の作者とされる孫武。尊称は孫子。

風林火山」は長野県警が初登場(諸伏は未登場)した回のテーマになっていた言葉です。これから映画を見られるコナン初心者の方はぜひコミックス第59巻「風林火山」のエピソードを読んでおくことをお勧めします。

このセリフを放ったシーンについては、映画のネタバレになってしまうので詳細な解説は避けますが、このシーンは映画屈指の名シーンですのでぜひ注目してみてください。諸伏も大和も本当にとてもかっこいいです。

復習クイズ

この記事で、長野県警の刑事・諸伏高明のことがよく知れたと思います。興味が湧いた方はぜひ、映画『隻眼の残像』や原作漫画をご覧ください!

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この記事を書いた人

綾香

北海道で医学を学んでいる綾香です。日向坂46、その他日本の女性アイドル、名探偵コナン、お笑いが好きです。読んでいて楽しくなれる記事をお届けできれば嬉しいです。

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