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こんにちは、服部です。

ここ十数年は、フィギュアスケートの世界で日本人選手がたくさん活躍していますね。先日の四大陸選手権でも、宇野昌磨選手と紀平梨花選手が金メダルを獲得しました。

ところで、フィギュアスケートは、どうして「フィギュア」というのでしょうか? 「優雅な競技なので、選手をお人形さんにたとえた表現だろう」と思ったことがある方もいるかもしれませんが、実際はどうでしょうか。

フィギュアは「図形」の意味

フィギュアスケートのフィギュアは、ずばり英語で「図形」という意味の「figure」です。

これは、かつて行われていたフィギュアスケートが「氷の上に図形を描く」競技だったことに由来します。もともとのフィギュアスケートは、スケート靴で滑った跡(トレース)で、図形を氷上に正しく描けるかを競っていたのです。

この図形を描く競技は「コンパルソリー」という種目として残ってはいますが、こんにちの世界選手権やオリンピックでは行われていません。

ふだんテレビ放映などで注目されているものは「フリースケーティング」といいますが、かつての名残から、フリースケーティングのこともまとめて「フィギュアスケート」と呼び続けています。

「図形を描く」から「バレエを踊る」へ

もともと図形を描いていたフィギュアスケートに踊りを持ち込んだのは、アメリカのバレエ教師であったジャクソン・ヘインズだといわれています。彼はバレエの仕事のためにヨーロッパへ何度も渡っていたのですが、たまたまスケートで図形を描いている人を見て、「氷の上でバレエを踊ってみたらいいんじゃないか」と思いつきました。

オリンピックや世界選手権でも、当初は図形を描くコンパルソリーと、音楽に合わせて踊るフリースケーティングの両方で競われていました。しかし、「地味でテレビ映えしない」などの様々な理由から、1990年代にコンパルソリーは競技種目として廃止されました。

廃止とはなりましたが、フリースケーティングで行われる滑り方の多くは、コンパルソリーにおける図形の描き方が基礎となっています。テレビで上から撮っているアングルのときなどに、選手の動きがどういう図形になるかを見てみるのもよいでしょう。

参考文献

  • 佐藤信夫(1985)『フィギュアスケート入門』講談社
サムネイル画像 / Via David W. Carmichael
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この記事を書いた人

Kosuke Hattori

東大経済学部を卒業しました。各記事が学びと発見への新たな入口になればと思います。よろしくお願いいたします。

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