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突然ですが、皆さんは「アメリカズカップ」という大会をご存知でしょうか?

先日、TBS系列の番組「林先生が驚く初耳学!」でも取り上げられたこの大会は、160年以上の歴史を持つ世界最高峰のヨットレースで、最先端の技術を集めたヨットが高速で航行する様子から「海のF1」とも呼ばれています。

現在、予選にあたる「アメリカズカップ・ワールドシリーズ」が世界各地で開催されており、11月19日、20日には福岡市でもアジア初開催となるレースが開かれます。


大会の歴史


この大会は1851年にイギリス・ワイト島で行われたヨットレースが起源で、アメリカ合衆国のヨット「アメリカ」号が優勝し、純銀製のカップを自国に持ち帰りました。「アメリカ号のカップ」なので「アメリカズカップ」というわけです。

その後、カップを寄贈されたヨットクラブが、このカップを競うレースを企画し、1870年に第1回大会が開催されました。

アメリカチームは1983年に敗れるまで24連勝し、100年以上もカップを守り続けました。紅茶のブランドに名を遺すトーマス・リプトンも30年間で5回挑戦しましたが、カップを獲得することはできませんでした。

カップは1983年にオーストラリアに移った後、アメリカ、ニュージーランド、スイスと移動し、2010年にアメリカが奪還して現在に至っています。

大会のルール


大会は以下のような構成で、2年間かけて行われます。

・2015年7月~2016年11月 アメリカズカップ・ワールドシリーズ
全9試合からなる予選で、最終戦が福岡で行われます。ここで合計ポイント上位に入ると、次のクオリファイヤーズでアドバンテージを得られます。

・2017年5月 アメリカズカップ・クオリファイヤーズ ここからは大西洋状のバミューダ諸島で行われます。ここを勝ち抜けた4チームがプレーオフに進出します。

・6月 アメリカズカップ・チャレンジャー・プレーオフ ここで勝った1チームが、防衛艇との1vs1マッチに臨みます。

・同月 アメリカズカップ・マッチ(本戦)
いよいよここが決勝戦。1vs1のマッチで先に7勝したチームが、アメリカズカップ優勝チームとなります。


大会で使われるヨットは、2つの船体をつないだカタマランと呼ばれるもので、大きさは全長約13m、高さ21.5mもあり、風の力だけで最高時速60㎞もの速さで海を進んでいきます。

ところで、なぜ大きなヨットが風の力だけで高速で進めるのでしょうか?

それは、船体の大部分がカーボン製で超軽量であることに加えて、水中に突き出た「ダガーボード」と呼ばれる部分に工夫が施されているからです。 ここの先端を飛行機の翼のような形に加工することで揚力を生み出し、船体を浮き上がらせることができるのです。ダガーボードだけが海に接する状態になり、船の受ける抵抗を極限まで抑えてることで、よりスピードが出る、というワケです。

参加チーム


今大会には防衛艇「オラクル・チームUSA」と挑戦艇5チーム、合わせて6チームが参加しています。

防衛艇の「オラクル・チームUSA」は、前回大会のマッチにおいて9勝先取で1勝8敗と絶体絶命のピンチから8連勝して大逆転で防衛という漫画みたいな展開でカップを死守したチームで、現在は6チーム中総合2位につけています。

一方、今大会は日本チーム「ソフトバンク・チームジャパン」が参戦しています。日本のチームが参戦するのは2000年以来のことで、ソフトバンクがメインスポンサーを務めています。

チームジャパンは参加表明の遅れからシーズン当初は低迷しましたが、今年9月にフランスで行われた第8戦では2位に入るなど徐々に巻き返し、現在は総合4位となっています。地元での戦いに注目です。


ついに日本初上陸の時を迎える世界最高峰のヨットレース・アメリカズカップ。その魅力が少しでも伝われば幸いです。

それでは最後におさらいクイズです。

サムネイル画像 / Via Port of San Diego

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この記事を書いた人

Koh Takahashi

東大経済学部4年の高橋と申します。スポーツや地理が好きなクイズ研究会会員です。皆さんが「読んでよかった」と思えるようなわかりやすい記事を書いていきたいと思っています。若輩者ですがよろしくお願いします。

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