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今大会の見どころ紹介

今年は本当に有力選手が多く、優勝予想が難しいです。年々大会自体の規模も拡大し、侍ジャパンは「史上最強」と言って差し支えないメンバー、それを迎え撃つ各国のチームもまた「最強」に近い陣容となっています。

昨年(2022年)、サッカーのワールドカップが大きな盛り上がりを見せたことは記憶に新しいところ。今回のWBCでも、ワールドカップに勝るとも劣らない熱戦が繰り広げられるはずです。

侍ジャパンの注目選手

ダルビッシュ有選手と大谷翔平選手は、過去に代表チームに参加した日本人メジャーリーガーのなかでも、ずば抜けた存在感を持っています。メジャー1年目の吉田正尚まさたか選手も、調整が難しいなか侍ジャパンに参加してくれました。

▲オリックス時代の吉田正尚

いずれメジャーで活躍すること間違いなしの「令和の怪物」佐々木朗希選手に加え、昨年飛躍を遂げたパワーピッチャー・宇田川優希選手、そして最年少選出の次世代エース・髙橋宏斗選手など、フレッシュな投手陣も見応えがありそうです。

▲昨年には完全試合達成! 世界が注目する佐々木朗希

打者にも期待の選手がたくさん。何といっても昨年日本人最多本塁打記録を塗り替え、三冠王に輝いた村上宗隆選手が、どのようなパフォーマンスを見せてくれるのか、今から待ちきれません。侍ジャパン初選出の日系人メジャーリーガーであるヌートバー(カージナルス)にも注目です。

MLB最強軍団・アメリカ

▲タップで拡大できます

まずは絶対王者のアメリカ。ついにWBCで本気を出してきました。

昨年のナ・リーグ本塁打王シュワーバー(フィリーズ)、強打の三塁手・アレナド(カージナルス)、名前がちょっと面白い正捕手のリアルミュート(フィリーズ)など、メジャーリーガーの中でも飛び抜けた実績を持つ選手が選ばれています。

優勝の大本命・ドミニカ共和国

※2023年3月6日追記:ゲレーロJr.選手は膝の故障のため、出場を辞退しました。

続いて、優勝候補と名高いドミニカ共和国

ワールドシリーズMVPの遊撃手・ペーニャ(アストロズ)、ワールドシリーズでノーヒッターを達成したハビエル(アストロズ)、投手で最大級の栄誉とされるサイ・ヤング賞を受賞したアルカンタラ(マーリンズ)など、ほぼ全員がメジャーリーガーで構成されるチームです。ドミニカ共和国にどう食らいついていくか……これは、他の全ての国の課題となることでしょう。

ライバル健在・韓国代表

日韓戦が行われれば、大いに盛り上がること間違いなしです。大谷選手と並んで2023年オフのFA市場の目玉とされるイ・ジョンフはもちろんのこと、鉄壁の二遊間を誇るキム・ハソン(パドレス)とトミー・エドマン(カージナルス)のメジャーリーガーコンビには注目です。

大物がずらり・ベネズエラ

個人的に注目しているのがベネズエラ。MLBで500本以上の本塁打を放っているベテランのカブレラ選手(タイガース)、2021年に本塁打王を獲得したペレス選手(ロイヤルズ)など、粒ぞろいの大物が侍ジャパンを迎え撃ちます。

あまりにも「最強」の呼び名がふさわしい今大会。しかしながら勝負というものは、最後の最後まで、どう転ぶか分からないのです。


「WBCが始まるぞ!」

小学校3年生のとき、クラスの誰かがそう言いました。

私はそのとき、教室の空気が確かに変わったように思いました。ぴりりと走る緊張感は、そのアルファベット3文字がもたらす感動と栄光を、予見しているかのようでした。

思えば、野球の盛んな小学校で育ちました。

皆で遊ぶと言えば野球ラケットベース。重たいベースを引っ張り出してプレイボールが始まるまで、ポジション決めと作戦会議の時間は、野球経験者も未経験者も、頭を突き合わせて考えました。

クラスメイトの大部分は、地元・名古屋の中日ドラゴンズを熱心に応援していました。アライバコンビ、浅尾岩瀬のリレー。球団歌『燃えよドラゴンズ!』が自然と流れ出すような、日本シリーズの際には勉強そっちのけで応援をするような、そんな小さな小学校でした。

▲心はドラゴンズブルーに染まっていました

のどかな街外れで育った私達と「世界」を繋げてくれるもの……それが「ワールド・ベースボール・クラシック」だったのです。

試合が始まってから終わるまで、テレビから目をそらすことができませんでした。来る日も来る日も気になるのは侍ジャパンの戦いばかり。決勝戦まで気が抜けませんでした。

優勝の翌日、興奮も冷めやらぬまま教室へ向かうと、クラスの話題はWBCでもちきりでした。

「イチローがやったぞ!」

クラスの男子はそう言って、ガッツポーズを披露しました。

「ダルビッシュが最高だった!」と言う女子がいました。

「やっぱり日本のエースは松坂でしょ!」とどこかから声が聞こえました。

その日の間中、教室は独特の高揚感に包まれていた気がします。中日が日本シリーズを戦っているとき以上に、WBCという言葉には熱がこもっていました。世界大会で優勝したこと、自分の好きな選手が活躍したこと……。何より、野球の試合で勝てたこと。全てが、私達にとって最高の話のタネでした。

誰もがそれぞれのヒーローを心に秘めながら、侍ジャパンを、あの伝説のチームを、応援していたのです。


私にとって最も思い出深かったWBCの試合は、やはり、2009年の決勝です。クラスメイトと一緒に喜んだイチローのタイムリーです。

▲何度でも見たい、あのシーン

その後、日本は優勝から遠ざかります。2013年、2017年ともに決勝進出を逃したことに加え、大会そのものが新型コロナウイルスの影響を受けて中止になるなど、WBC好きの野球ファンにとって辛い日々が続きました。

我々野球ファンは、普段贔屓球団しか応援しません。贔屓以外は正直言って「敵」。佐々木朗希選手も村上宗隆選手も、シーズン中は素直に応援できません。

それに比べて、国際試合の面白さは格別です。勝ったら嬉しいし、負けたら悔しい。忖度抜きに、素晴らしい選手素晴らしいプレーを楽しむことができるのです。

皆さんも想像してみてください。侍ジャパンを応援する仲間のことを。球場に、テレビ画面の前に、拳を握りしめているファンがいるはずなのです。

日本が優勝する瞬間を、一ファンとして待ち望んでいます!

WBC2023、間もなく開幕です!


画像出典

いずれも画像をトリミングしています。
・サムネイル画像 via Twitter
・大谷翔平 via Wikimedia Commons Mogami Kariya CC BY-SA 2.0
・吉田正尚 via Wikimedia Commons Baylexs CC BY-SA 4.0
・佐々木朗希 via Wikimedia Commons 飯生琉久 CC BY-SA 4.0
・トラウト via Wikimedia Commons Mogami Kariya, CC BY-SA 2.0
・アレナド via Wikimedia Commons Ryan Casey Aguinaldo CC BY-SA 4.0
・ゲレーロJr. via Wikimedia Commons Erik Drost CC BY 2.0
・アルカンタラ via Wikimedia Commons Ryan Casey Aguinaldo CC BY-SA 4.0
・イ・ジョンフ via Wikimedia Commons Trainholic CC BY-SA 3.0
・キム・ハソン via Wikimedia Commons Ryan Casey Aguinaldo CC BY-SA 4.0
・アクーニャJr. via Wikimedia Commons All-Pro Reels CC BY-SA 2.0
・カブレラ via Wikimedia Commons Ian D'Andrea CC BY-SA 2.0

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この記事を書いた人

中川朝子

医学部6年生の中川朝子です。普段は小説を書いたり、美術館を巡ったりしています。中日ドラゴンズの大ファン。文理の架け橋となるような面白い記事を書きたいと思っています。よろしくお願いします!

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