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高校生のときは片道1時間の電車通学でした。こんにちは、菜葵です。

通勤、通学、お出かけなど、私たちの生活の足となっている全国の鉄道網。私も大変お世話になっています。

身長が167cmと比較的高い私は、何も考えずに席を立つと、つり革で頭を打つことは日常茶飯事。そんなとき、ふと思いました。

「つり革の高さ、何を基準に決まってるの?」

この疑問を解決するため、全国16社に取材を実施! つり革に焦点を当て、その高さや基準を聞いてみました。

ご協力いただいた皆様(敬称略・順不同): JR北海道・JR東海・JR西日本・JR四国・JR九州・秋田内陸縦貫鉄道・仙台市交通局・東京メトロ・東急電鉄・ゆりかもめ・名古屋市交通局・大阪メトロ・阪急電鉄・神戸市交通局・福岡市交通局・西日本鉄道 以上16社

※今回いただいた回答はその会社全ての車両に共通するものではなく、主要車両についてのものです。

つり革の高さは鉄道会社によってバラバラ

電車のつり革の高さは、車両の中でも高い方から順に、通路部分、一般部分、優先座席前と3種類に分かれています。今回の調査で、このつり革の高さは全国共通ではなく、各会社ごとに少しずつ違う高さであることがわかりました。

▲つり革の高さは3種類。通路部分は通行に支障が出ないように高くなっています。提供:JR北海道

そして、各社のつり革の高さを一覧表にまとめたものがこちら。

▲優先座席前のつり革の高さと一般部分の高さを分けて設定していないところもありました ※複数種類がある会社については一部省略しているものもあります

皆さんの使う会社の高さはどのくらいでしたか?

最も高いつり革は1850mm(神戸市交通局:通路部分)、最も低いつり革は1520mm(仙台市交通局:優先座席前)で、その差はなんと33cmでした。一般部分のつり革だけを比較しても、1600mmから1700mmと、会社によって10cmも異なっています

また、東急電鉄と名古屋市交通局は高いつり革と低いつり革を交互に設置しているそうです。

▲複数の高さのつり革が設置交互に設置されています。私は初めて見ました。提供:(左)東急電鉄(株)・(右)名古屋市交通局

会社によってつり革の高さがこんなにも違うとは思いませんでした。各社のつり革の高さを見てみると、身長167cmの私が高確率で頭を打っていたことにも納得です。

つり革の高さはどうやって決まっている?

では、本題のつり革の高さの基準はどうなっているのでしょう? つり革の高さに違いがあるように、会社によって基準が異なることがわかりました。

最も多い6社でつり革の高さを決める指標となっているのが、国土交通省によって定められた「公共交通機関の旅客施設・車両等・役務の提供に関する移動等円滑化整備ガイドライン(バリアフリー整備ガイドライン)」です。このガイドラインのなかでは、 「つり革の高さ・配置については、客室用途と利用者の身長域(特に低身長者)に配慮する。」 とされており、参考例として(社)人間生活工学研究センター『日本人の人体計測データ』(2003)の以下の事例が掲載されています。

-通路つり革下辺高さは、通路としての要件から1,800mm以上とした。
-一般つり革の下辺高さは、全体の使いにくい割合が最小かつ成人男性の使いやすさが悪化しない範囲から、1,600~1,650mmとした。
-低位つり革下辺高さは、全体の使いにくい割合が最小かつ女性・高齢者の使いやすさ重視から、1,550~1,600mmとした。

(社)人間生活工学研究センター『日本人の人体計測データ』(2003)

他にも、他事業者の鉄道車両や、鉄道総合技術研究所発表の論文等(福岡市交通局)を参考にしているところなどがありました。

誰にでも使いやすいつり革の高さの工夫

このようにして決まっているつり革の高さですが、より使いやすいように変更することもあるようです。今回の取材では、バリアフリーの観点からつり革の高さを低くしているという回答が7社からありました。

大阪メトロ:中間更新改造や新造車両では、低身長者への配慮として一部の吊り手を低い位置に設定しています。

また、東京メトロや仙台市交通局では、優先座席前のつり革の高さをさらに低く変更することで、お年寄りや小さな子どもでも使いやすいように配慮しているとのことでした。

加えて、優先座席前のつり革は黄色にすることによって、そこが優先座席であることをわかりやすくしているという工夫もあります。

▲一般的なつり革と違うところ、それは色。提供:JR東海

さらに、つり革だけでなく手すりをつけている車両もありました。

▲手すりを設置している車両。提供:仙台市交通局

手すりを設置することは、立っているときの支えになるのはもちろん、座席への移動や立ち座りにも役立ちます。

つり革の高さは多くの人が利用しやすいように決められていた

つり革が頭にぶつかることがきっかけでその高さについて調べ始めましたが、取材すると、より多くの人が電車やつり革を利用しやすいように決められていることがわかりました。これからは、つり革を単なる設備としてではなく、もっと広い視野で見ることができそうです。

みなさんも電車に乗るときには、それぞれの思いやりを持ち寄った素敵な空間を作りませんか?

▼つり革の「形」に関する記事はこちら!

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この記事を書いた人

菜葵

神戸大学国際人間科学部3回生の菜葵(なぎ)です。お抹茶が好き。「好き」や「気になる」をたくさん記事にしていきたいです。一緒に楽しんでいきましょう! 

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