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――裁判で証言ができるレベルって、英語はかなりマスターしているんですね。

とむ そうですね。高校生のときに「IELTS」※2っていう検定で確か8.0を取ってるんで、英語は一応話せるほうではあります。
※2)IELTS:英語の4技能(書く、読む、聞く、話す)をはかる試験。1.0から9.0の段階評価で、8.0はかなりの高水準にあたる。

▲高校時代から英語が堪能だったとむ

――ドイツ語についてはどうやって習得したんですか?

とむ 高校生のときに1年間ドイツに留学していたんですよ。ネイティブレベルっていうとだいぶ語弊がありますけど、帰国前にはドイツ語での授業を問題なく理解できていたので、日常生活の範囲だったら全く問題ないぐらいですね。裁判はさすがにきついかも(笑)。

――それはさすがにレベルが高い(笑)。

とむ ちなみに、フランス語を大学の第二外国語でやってて……。

――これだけやってて、第二外国語はフランス語だったんですか!?

とむ そうです、これにはちゃんと理由があって。留学するときに、なんでドイツを選んだのかっていうのが理由なんですけど。

――というと?

とむ 高校生のときには英語は結構できてたんで、英語以外の言語がやりたかったんですよ。シェンゲン協定※3があるし、留学先をヨーロッパにしたら、いろんな体験ができていいかなと思って。
※3)シェンゲン協定:ヨーロッパ諸国間において、出入国審査なしに自由に国境を越えることを認める協定。

▲英語だけで満足せず、さまざまな言語に興味があった

とむ そこでドイツ語かフランス語かで迷ったんですけど、今ドイツ語をやらなかったらたぶん今後もやらないけど、フランス語はいつでもやるなと思って。フランス語のほうがモチベーションがあるから、後回しにしてドイツ語を選んだんですよ。

――モチベーションがあるから後回しにしたっていうのがおもしろいですね。

とむ 結果、その通りに大学ではフランス語を選んだので、そのときの判断は間違ってなかったなと。フランス語は、普通の自己紹介ぐらいはできるようになってます。

▲言語への興味がとどまることをしらないとむ

――やっぱり特定の言語にかかわらず、語学全般が好きなんですか?

とむ 語学全般が好きですね。ドイツにいたときはスペイン語の初修のクラスを取ってたんですけど、それも面白かったし。スペイン語は全くしゃべれないですけど(笑)。

「辞書を持たずに留学」謎解き感覚でドイツ語を習得

――高校生のときに留学しようと思ったきっかけは何だったんですか?

とむ う〜ん、中学生のころに、なんか閉塞感があるなと思って。

――閉塞感?

とむ 中学校ってやっぱり限られた環境というか、自分の世界ってすごく狭いなと。もうちょっといろいろなものを見て、自分の世界を広げたかった。

でも、留学したいっていうのは、多分小学生のときぐらいから思ってた気がします。もともと本を通して「日本以外の国」に興味があったから、何かがきっかけだったというよりは、子どもの頃から漠然と「留学行きたいな」とは思ってました

――なるほど、それで高校生になって留学を決めたんですね。

とむ そうですね。学校に貼ってあった留学(を斡旋する団体の)のポスターを見て、「あ、留学しよう」って思いました。それで高校1年生の3学期から高校2年生の3学期まで留学してました。

▲高校で幼い頃からの願いを叶えた

とむ 高校には単位互換制度っていうのがあって、留学先で受けた授業も日本の高校の卒業単位として認めてくれるんですね。留年しなくても留学できるから、そのおかげで行きやすかったというのもありました。

――実際にドイツに留学してみて、勉強に対する苦労はありましたか?

とむ やっぱり、言語の学習が1番大変でした。「あえて」って言ったらなんですけど、私、ドイツに辞書を持っていかなかったんですよ

▲「辞書、持っていかなかったんですよ」

――えっ。

とむ 文法と最低限の単語しか知らない状態だったんです。なので、最初は単語がわからないから、それをひたすら推測して当てるっていう(笑)。やっぱり24時間ずっとドイツ語で生活してると、さすがに覚えていくんで。

――推測して当てる、ってどうやって……。

とむ たとえば、授業は先生と生徒の対話形式で進むんですけど、生徒が発言をすると、それに対して先生が結構な確率で「ファスト」って言うんですよ。そこから別の生徒が発言するとまた「ファスト」、それが続いた後に「リヒティヒ」って言うんです。

▲「ファスト、ファスト、リヒティヒって」

とむ 「これはなんなんだろう」って考えて聞いているうちに、ファスト(fast)がここでは「惜しい」っていう意味で、リヒティヒ(richtig)が「正しい」って意味だって気づいて「おー!」ってなる(笑)っていうのを毎日やってました

――いろんな単語を推測で覚えていったってこと?

とむ そうです(笑)。これをやると絶対忘れないんですよね。そうやって1日に何十個も覚えていく感じです(笑)。

――単語を頭に1個ずつ叩き込んでいくような形ですよね。毎日だとしんどくなかったですか?

とむ いや、楽しかったです。むしろ「まさにこれがしたかった!」っていう感じで。

▲「これがやりたかった!」

とむ 「あー、辞書で覚えなくてよかった!」「楽しい〜!」と思って。英語で話してくれる友達もいたんで、あまりにもわかんないときはさすがに聞いたりしましたけど。

――それを楽しいと思えるのはやっぱりすごいなと感じますね。

とむ でも、たぶん謎解きとかパズルとかが好きな人の感覚に近いんじゃないですかね。言語を理解できないと脱出できない部屋みたいな感じで(笑)。

脱出ゲームといえば、1回やってみたいことがあるんですよ、かなり難しいと思うんですけど。目隠しして情報を遮断した状態で、世界のできるだけマイナーな国に連れてってもらいたいんです。お金だけ渡されて「自力で日本に帰ってきなさい」っていうのをやりたくて。

▲「めっちゃやりたいんですよね〜」

――めちゃくちゃハードな……(笑)。

とむ できれば私のわからない言語の国がいいですね。どこに連れて行かれたかもわからない状態で、言語を習得しながら帰るっていう(笑)。これめちゃめちゃやりたいですよ、難しいと思うけど。

――ちょっとやばい話を聞いてしまった(笑)。

次ページ:とむが「語学」に興味を持ったきっかけは? 海外ドラマの「あること」に気付き……。

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この記事を書いた人

野口 みな子

QuizKnock編集部で記事の編集をしながら、記事も書きます。記事を通して「知る楽しさ」の入り口を広げていきたいです。インターネットや動物、ポップカルチャーが大好き。大学時代は宇宙物理学を専攻していましたが、星座に詳しくないのが悩みです。名古屋大学の大学院理学研究科卒。

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