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解説

それでは解説です。さまざまな解き方がありますが、ここではそのひとつを紹介します。

前ページ:自力で解きたい方はこちらへ!以下は問題の解説です

そのままだと面積を求めるのは難しそうですが、どうすればいいでしょうか?

今回の問題を解くうえで重要なポイントを以下にまとめました。

整理すると、

  • 面積を求めたい図形(四角形EFGH)を分割する
  • 等積変形」を利用する
  • 高さが同じ三角形の「底辺の長さ」と「面積」の関係を利用する

の3点です。これらのポイントを踏まえながら、問題を解いていきましょう。

面積を求めたい図形を分割する

下の図のように四角形EFGHを三角形EFGと三角形EHGに分割します。

ここで、AGとEC、DEとGBがそれぞれ互いに平行であることから四角形EFGHは平行四辺形となるので、平行四辺形の性質から三角形EFGと三角形EHGの面積は等しくなります

ということは、この2つの三角形のうちどちらかの面積を求めることができれば、それを2倍することで答えを導くことができます。

「等積変形」を利用する

では、三角形EHGの面積を求めていきましょう。ここで、次のような性質を利用します。

この性質を利用して、図形の面積を変えずにその図形を変形することを「等積変形」と呼びます。

問題の図において、三角形EHGは、平行な線分であるAG、ECの間にあるので、下の図のように三角形EHGを等積変形することができます。

すると、三角形EHGの面積は三角形CHGの面積と等しくなります。

三角形CHGの面積を求める

次に、三角形CHGの面積を求めます。ここで、次のような性質を利用します。

まず問題の図で、AEとDGは平行です。よって、平行線についての「錯角の関係」から、角AEHと角GDH、角HAEと角HGDの大きさはそれぞれ等しいことがわかります。

また、角EHAと角DHGは対頂角の関係にあり、その大きさは等しいので、「対応する3つの角の大きさがそれぞれ等しい」ことから、三角形AEHと三角形GDHは相似の関係にあることがわかります。

相似な図形の「対応する辺の比はそれぞれ等しい」ので、三角形AEHと三角形GDHの対応する辺の比は、辺AEが6cm、辺GDが3cmであることから6:3=2:1になります。

よって、AHの長さとGHの長さの比も2:1になります。次に、下のような性質を利用します。

上の性質を利用すると、AH:GH=2:1であることから、三角形CHAと三角形CHGの面積の比は2:1になります。

よって、三角形CHGの面積を△とすると、三角形CAGの面積は「3×△」と書けます。

ここで、平行四辺形AECGに注目してみましょう。平行四辺形AECGの面積は、9×6=54cm2です。平行四辺形の性質から、三角形CAGの面積は平行四辺形AECGの面積の半分であり、その面積は27cm2となります。

よって、3×△は27cm2であるので、△は9cm2に当たります。したがって、三角形CHGの面積は9cm2であり、三角形EHGの面積も9cm2になります。

よって、求めたい図形の面積は、三角形EFGと三角形EHGの面積が等しいことから、9×2=18cm2となります。

答え:18cm2


図形を分割して等積変形を利用することがポイントでした。

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この記事を書いた人

松林 陸

京都大学大学院理学研究科・修士1年の松林 陸です。普段は大学のサークルでクイズをしています。 大学では物理学を専攻しています。好きなものはクイズと旅行と科学。読者の方の日々に「ちょっとした学び」が生まれるような記事を書けるように頑張ります。

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