こんにちは、東大法学部のイデです。
みなさんが毎日見かける信号機。
車両用の信号機は、横にライトが並んだものが一般的ですが、豪雪地帯などでは積雪による負荷を抑えるために縦型の信号機が設置されています。信号機にまつわるトリビアとして、誰かに話したことのある人も多いのではないでしょうか。
▲縦型の信号機を見ると、ちょっとテンション上がりますよね
そこでふと疑問が湧きます。
歩行者用信号機は縦型のものしか見たことがありません。車両用のように、バリエーションがあるのでしょうか?
調査・取材をしてみると、横型の歩行者用信号機の存在が明らかに! その設置理由には、車両用とはまた違う背景があるようです。
法律を読むと横型でも良さそう
法学部の私が頼りにするのはまず法律です。道路に関する規制は道路交通法に定められているはず!
ということで道路交通法を見ていると、4条4項にこんな記述が。
信号機の表示する信号の意味その他信号機について必要な事項は、政令で定める。
どうやら信号機にまつわるルールは「政令」で定められているようです。
道路交通法には道路交通法施行令という政令(内閣が定める命令)が付随しています。その3条1項には驚きの記述がありました。
……、赤色及び青色の灯火を備えるものにあつては、その灯火を横に配列する場合は右から赤色及び青色の順、縦に配列する場合は上から赤色及び青色の順とする。
ん……? 「赤色及び青色の灯火を備えるもの」って歩行者用信号機のことでは? この条文で歩行者用信号機を横に配列する場合について規定しているということは、横型の歩行者用信号機も想定されているのでは……?
横型の歩行者用信号機の存在に希望が見えてきました。なかなか見かけないだけで、横型の歩行者用信号機は日本のどこかに設置されているのかもしれません。ということで、信号機を製造するメーカーに取材してみることにしました。
信号機メーカー「あります。20年ほど前に……」
取材したのは交通管理システムや鉄道信号システムを手がける、大手信号機メーカーの京三製作所です。
「横型の歩行者用信号機は存在する」ということはわかりました。でも、どこにあるのでしょうか……?
こうなったら頑張って探すしかない
とにかく情報を集めて、横型の歩行者用信号機がある場所を探していくしかなさそうです。さらに調査してみると……
ありました。
▲赤が右側。道路交通法施行令で定められている配置だ!
ここは新潟県の十日町駅近くの交差点です。これが探し求めた横型の歩行者信号機……なんだか横型ってかわいいですね。
なぜここに横型の信号機が設置されているのでしょうか? 管轄は新潟県警察のはず! 新潟県警察に問い合わせてみましょう。