こんにちは。京大生ライターの宮原です。
皆さんは星占いとかって気にする方ですか? 僕は自分が良い運勢の時だけ信じます。
こんな風に占いに使うのは12星座ですが、夜空を見上げるとほかにもたくさんの星座がありますよね。全部でいくつあるのかご存知ですか?
黄道十二星座
星占いでよく見る、誕生日の星座
まず星占いに使う12星座の話から始めましょう。これをまとめて黄道十二星座と呼びます。
黄道とは簡単に言うと太陽の通り道のことです。地球から見た太陽の位置は季節によって少しずつ変わりますが、これを1年分つないだものが黄道です。
この黄道上に並ぶ12個の星座が黄道十二星座です。全部言えますか?
これが皆さんにもおなじみの星占いの12星座なのですが、実は黄道上にはもうひとつ星座があります。
実は黄道上に位置する、へびつかい座
それが「へびつかい座」です。さそり座といて座の間に位置します。これを入れた13星座占いというものもあるそうです。
では、なぜ一般的な星占いにへびつかい座が入っていないか。へびつかい座が黄道にかかっているのはほんの一部だけで、伝統的な西洋の占星術では扱われてこなかったのです。
全天88星座
さて、星占いの12星座の話は終わりましたが、他にも星座はたくさんあります。有名なところだと、冬に見えるオリオン座とかですかね。
では全部でいくつあるのか? 正解から言ってしまうと88個です。
季節や方角の手がかりとして誕生した
そもそも星座というものが生まれたのは、今から5000年ほど前のバビロニア(現在のイラクの辺り)だとされています。
星は季節によって見えるものが異なりますから、古代より種まきや収穫などの時期を知る手がかりになりました。また船によって遠くまで航海する時には、星によって方角を知ることができます。
このように星からさまざまな情報を得ていた人々は、めぼしい星を線で結んで動物や道具、神様の姿に見立てるようになりました。これが星座です。
しかし、これでは個人個人が勝手に星座を作れるし、国や地域によって違う星座が生まれることになります。どうして88個と言い切ることができるのか疑問ですよね?
これまた正解から言ってしまいますが、そう決まっているからです。
「何だそりゃ?」と思われるかもしれませんが本当にそうなんです。
国際天文学連合が定めた88星座
1928年、国際天文学連合によって全世界共通の88個の星座が定義され、現在までそのまま使われています。星座ごとに学名やアルファベット3文字の略称も定められています。
16世紀くらいまでは48星座というのが基本でした。これは2世紀ごろのギリシャの天文学者・プトレマイオスが整理したもので、「トレミーの48星座」と呼ばれます(「トレミー」はプトレマイオスの英語名)。
大航海時代に新たな星が発見されるなどの理由で現在までに数が増えていますが、48星座は1つを除いてすべて存続しています。2000年近く前の人物でありながらプトレマイオスの影響力の強さがわかりますね。
ちなみに存続していない唯一のトレミー星座がアルゴ座(アルゴ船という古代ギリシャの船の形)なのですが、これは4つに分割されて現在ではとも座、ほ座、らしんばん座、りゅうこつ座とそれぞれ船の一部の名で呼ばれています。
さて長くなりましたが、ともかく星座の数は88個ということで一件落着……ではありません。
飛び地のような位置関係のへび座
実は2つで1つの星座があるのです。
それが「へび座」。
先にも話したへびつかい座があやつるへびがこのへび座です。頭の部分としっぽの部分に完璧に分かれているのですが、セットで1つの星座として設定されています。
ということは実質星座は89個? でもアルゴ座が1つなら86個だし……?
新しい星座?
去る10月18日、アメリカのNASAが衝撃の発表をしました。なんと新しい星座21個を認定したというのです。
アインシュタイン座、星の王子さま座などの他、日本人として目をひかれるゴジラ座なんてものまであります。
では星座の数は88星座に21個加わって109個になるのかというと、どうやらそういうわけではありません。
新たな21星座は「ガンマ線バースト」という現象を観測した天体をつなげて作ったもので、これまでの星座とは別物です。
ガンマ線バーストというのは、とても重い星が燃え尽きてブラックホールになる時などに、強烈なガンマ線が放出される現象で、このバーストの様子が口から放射熱線を放つゴジラに似ていることからゴジラ座は命名されたそうです。
NASAはガンマ線を観測するフェルミ宇宙望遠鏡で発見した天体を結んで新たな星座と認定しました。国際天文学連合の定義する従来の星座とはまったく別物というわけです。
まとめ
星座はいくつあるのか?
いろいろ考えていると私にも正解がわからなくなってきました。
正しいとされる解答は88個でしょう。
でもひとつの数字を出すのは難しいということはわかってもらえたと思います。12星座と思いきや13個目があったり、88星座と思いきや89個っぽかったり。そもそも昔は48星座だったり、また新しいのが増えたり。
誰しも夜空で星座を探したことはあると思いますが、そんな身近なものでも網羅しようとするのは大変ということですね。知の探究には終わりはありません。