ヒント(チャンイケさんの思考過程)
前提として、「气」があるので気体の元素ですね
早速10択くらいにまで絞れましたね
周期表の上の方と、右端のどれかだ
▲気体の元素は11個ある(ただし標準状態の単体を考える)
そしてこの3つの漢字、進化してるんですよね。ピチュー、ピカチュウ、ライチュウみたいな
▲よくわからなかったのでチャンイケさんに図を作ってもらいました
最新のポケモンはあまり知らないので、昔からいるポケモンでたとえてくださって嬉しいです
「連想できる元素」ということは、3つの漢字のうち1つが元素を表していて、残りの2つがその同位体を表している可能性がありますね
じゃないと「連想できる」という言い方がされないので
同位体:原子番号は同じだが、質量数は異なる原子どうしの関係を「互いに同位体」といい、この関係にある原子はほぼ同じ化学的性質を持っている。
チャンイケさんは、3つの漢字が似ていることと「連想できる」というフレーズから、「同位体の関係にある元素ではないか」と推理したらしい。
ご明察です
そのリアクションが出たということは多分これですね、答えます!
水素!
大正解です!
やった〜! 推測でいけるものですね
推測でいけそうなギリギリのラインを攻めました
いやーいい問題ですね、漢字と化学の知識が両方試される、まさに「僕向けの問題だった」というわけですか
ありがとうございます! 割とうまくいったので安心しました
ちなみに左から軽水素、二重水素、三重水素ですかね、質量数が大きくなると「气」の中の線の本数も増えるという
その通りです。なお単に「水素」というときは「氢」です
なんか「ス」と「エ」を縦に並べたような漢字なかったっけ
日本で「圣」「巠」と書く部分は、現在の中国では「ス」「エ」を縦に並べて書きます
「氢」の中身、もしかして「軽」から来ていたりする? 水素って元素の中で一番軽いから
ご名答です
おまけ:化学物質の漢字表記は面白いという話
そういえばこの前、漢字の勉強会で「原則として単語が先にあって、その後にそれを表す漢字ができた」と話したじゃないですか
漢字の勉強会:鹿野が2月から3月にかけて開いた、社内向けの勉強会。
あー、先に「ネコ」を表す単語があって、その単語と「苗」の発音が近かったから「猫」という漢字ができたというやつね
※「猫」という漢字の成り立ちと鳴き声を直接結びつけた説明がよくあるが、これは不適切。
「氕」「氘」「氚」はその例外です
三重水素は中国語で「chuān」というんですけど、これは「气」に3本線を入れた「氚」に「川(chuān)」が含まれていることが原因なんですよね。つまり「氚」という漢字ができて初めて、三重水素を表す「chuān」という単語が生まれたと考えることができます
へぇ〜、面白いなその話!
あと、ポルフィンって知っていますか?
ポルフィンってアレでしょ? 窒素含有化合物で輪っかになってて、真ん中の部分で金属元素をキャッチできるやつ
▲ポルフィンの構造式
詳しすぎる
クラウンエーテルの仲間
これ昔は「㗊」という表記もありました
これアレじゃん、周りに大きく□を書いて「田んぼの田」を作るパズルに出てくるやつじゃん
▲よくわからなかったのでチャンイケさんに図を作ってもらいました
脳がパズルに侵食されている……
今回のクイズが解けたのもパズル的発想だし、本当にパズルに侵食されているかもしれない
さすがです。ところでなぜ「㗊」と書くかわかりますか?
もしかして、構造式の「見た目」から作られた?
なんと、構造式の見た目を利用しています
マジで言ってます? 聞いたことないですよ「構造式由来の漢字」なんて
より正確に言うと、「㗊(léi)」という漢字はもともとあって、ポルフィンはこれに似ていることから「㗊」の漢字があてられて、さらにポルフィンのことを「léi」と呼んでいたことがありました
はぁーそんな面白いエピソードあるんですね
化学物質を表す漢字、従来の漢字にはない特徴がいろいろあって面白いんですよ
ポルフィンの環が小さかったら、「品」にあてられていた世界線もあったかもしれない
なんだか不安定そうですね
漢字の成り立ち、面白いものだらけですね
チャンイケさんの推理力にかなり救われる形となりましたが、無事に「面白いクイズ」を出すことができました。
皆さんも「なんかクイズ出してよ」と言われたときは、まずは「相手の興味がありそうなジャンルは何か」を考えてみてはいかがでしょうか。
【前回の「なんかクイズ出してよ」はこちら】