QuizKnockのYouTubeチャンネルの名場面を振り返る企画「QuizKnock名場面集」。これまで公開された動画のなかで、おすすめのシーンを紹介していきます。
ずっと応援してくださっている方は当時を思い出しながら、最近QuizKnockを知った方はぜひこの機会にご覧ください。
「はい」「いいえ」だけが情報じゃない
「同じひらがなが2回以上使われていますか?」
この名場面が登場したのは、2024年2月18日に公開された動画「【伊沢vsふくらP】相手にバレずに答えを導け!難問並列アキネイター!賢いのはどっち?」です。伊沢拓司とふくらPの2人が、山本祥彰に対して交互にアキネイターのように「はい」か「いいえ」で答えられる質問を交互にしていき、山本が用意したA~Cの3つのお題を当てます。1回の質問でお題の3つすべてに関してそれぞれ答えてもらうことができ、先に2つお題を当てた方が勝ちです。
自分の質問とその回答は相手にも聞こえてしまうため、相手にできるだけヒントを与えない工夫が必要となります。
伊沢の「YouTuber?」という質問からスタートし、それに対する山本の答えはすべて「いいえ」でした。その後も「鬼滅の刃に関係しますか?」「哺乳綱ですか?」など、2人は様々な質問で答えを絞ろうとします。
質問を重ね、3つのお題のうちAのお題「カラス」を伊沢が当てることに成功し、残るはB、Cの2つとなります。ここまでの質問の答えから、Cのお題は「家」の字がつく職業であることが明らかになっていました。Cのお題を「画家」ではないかと予想する伊沢は、対戦相手・ふくらPにバレずにヒントを得られる質問を考えます。
「画家はあれだ、文字で攻めよう」「『か』が2回使われてるからね」と方針を定めた伊沢は、山本に「同じひらがなが2回以上使われていますか?」と質問しました。
この質問は、画家の「が」と「か」を同じとするかで山本が迷うことを想定したものでした。山本が返答に悩むのを見ながら、伊沢は「時間がかかってるってことは、かなり画家の線が濃いんじゃないかと思ってるんですね」「大事なのは、Yes・No以外の情報を引き出すこと」とアキネイターの“極意”を語ります。
そして、山本はCのお題について「どちらともいえない(△)」と迷いながら答えました。「決まった」と伊沢は笑顔になります。一方、それを聞いたふくらPは「どういうこと?『きゃ』があって『や』があるとか?」「『か』があって『が』があるとか?」と推理します。
違和感を覚えつつもふくらPは「画家」にたどり着けず、伊沢のターンがやって来ます。「それはずばり、画家ですか?」と解答した結果、Cのお題の判定は「はい」でした。2つのお題を当てて勝利した伊沢は、「よっしゃあああああああ!!!」と喜びを爆発させます。
お題への答えだけでなく、相手の「迷い」も情報として活用した伊沢の発想力と推理力が発揮された名場面でした。
世の中、とかく二択が多すぎませんか?
クイズを作っている私が言うのもなんですが、択一ってどうにも思考を絞る感じがして、ウッってなっちゃうんですよね。犬派か猫派か、ビアンカ派かフローラ派か、きのこかたけのこか。そんなにバツっと分かれてますか?
俺はどっちも飼ったことあって好きだし、デボラの殴り性能にロマンを感じるし、すぎのこ村が一番好きですよ、食べたことないけど。第三の選択肢や、2つの間に存在する「いい塩梅」が、本当の正解なことも少なくないのです。
「選べ」と言われた時こそ、あえて幅広い視野で「二択の外」を探すこと。選択肢という枠を外して、本質的な正解を目指すこと。択一は、あくまで無限にある現実世界の選択をデフォルメしたものでしかない。そんなことを時折思い出すことが、デジタルのレコメンドにchoiceを突きつけられ続ける現代における良き生き方であると私は考えます。
ゆえに、これ以降私が択一問題を外した時は、「おお、広い視野で眺めてるんだなぁ……流石だ……」と感心していただく……これ一択でお願いいたします。
▲あの名シーンから再生されます
次回の「QuizKnock名場面集」もお楽しみに!
【おすすめ名場面】
【あわせて読みたい】