QuizKnockのYouTubeチャンネルの名場面を振り返る企画「QuizKnock名場面集」。これまで公開された動画のなかで、おすすめのシーンを紹介していきます。
ずっと応援してくださっている方は当時を思い出しながら、最近QuizKnockを知った方はぜひこの機会にご覧ください。
負けてもいい感じに締めくくろうとする伊沢
「汚く勝つより美しく負けろ」
この名場面が登場したのは、2024年2月14日に公開された動画「分からなかったらマイナスが無限になっちゃうクイズ」。早押しクイズは「押してからすぐ答える方が美しい」という一説のもと、すぐ答えるほど点数が高くなるルールでの早押しクイズに、メンバーが挑戦します。
このルールでは、早押しボタンを押して5秒のカウントダウンの間に答えて正解した場合、カウントの数字がそのまま得点となります。さらに、誤答ペナルティはないことが司会のふくらPから告げられます。
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しかし、第2問でゲームは急展開を迎えます。問題のかなり早いタイミングで伊沢拓司がボタンを押し、カウントが0になったタイミングで解答するも誤答しました。次の解答権を得るべく他のメンバーはボタンを連打しますが、解答権が移らずに司会のふくらPが「0、-1、-2……」とマイナスの数字をカウントし始め、伊沢に解答を求め続けたのです。
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即座に事態を把握できなかったメンバーですが、数秒考えたのちに、このルールは「誤答罰がない」のではなく、「誤答の概念がなく、正解するまで解答を続けないといけない」魔のルールであったことに気が付きます。
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伊沢は解答を続けますがなかなか正解することができず、この問題で-153ポイントを獲得します。
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その後巻き返しを狙うも増えるポイントは微々たる数で、伊沢は2人に追いつくことができないまま、逆転可能な特別ルールが設定された最終問題が出題されました。
伊沢はボタンを押し解答権を得ますが、残念ながら逆転できるカウントのうちに正解は出ず、カウントは再びマイナスの域に突入。ようやく正解したときには、伊沢の累計ポイントは-286ポイントと圧倒的最下位になってしまいました。
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ゲームが終わり、マイナスカウントを繰り返して大敗を喫した伊沢。そんな伊沢が満足げな表情で言った言葉が「汚く勝つより美しく負けろ」でした。さらに「俺は美しく戦いそして美しく敗れたってことでいいんじゃね?」と続け、自身のミスを美しく締めくくることを試みます。
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しかし、すかさず東言から「けっこう見苦しかった」と鋭く美しいツッコミを食らってしまうのでした。
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押してからすぐ答えるという「美しい正解」を求めて奮闘するメンバーたちの様子は、ぜひ動画でご確認ください!
負けというのは「美しく」ありうるのだろうか。
結果としての負けそのものはマイナスであり、真に美しいのは戦いざまそのものであるだろう。美しく戦ってなお負け、それを「美しく負けた」と呼ぶのならば、そこにある美とは過程における「足りないこと」が持つもののように思う。
一面の曇り空よりは、晴れ間に浮かぶ雲のほうが美しい。
違和感を残すディミニッシュのコードが、その曲を特徴づける。
割れた茶碗に施された金継ぎが、かえって風合いを良くする。
欠点ばかりをミクロに見てしまえば重大なことのように思えたとしても、全体像のなかにあってはそれが長所たりえるのだ。
ならばこの動画は、私の人生にとっての「金」なのかもしれない。
陶器のように練り上げられた均整な人生、連勝街道。そのなかに入り込んだ僅かなクラックが、かえってその道程を浮かび上がらせる。
そう、この動画を見たあとには、ぜひ別の動画を見てほしい。私が勝ったやつを、たくさん。不思議とこの動画での私の負けが、美しいもののように思えてくるだろうから。
そんなときに最適なプレイリストも、最近作りましたので、ぜひ。
▲あの名シーンから再生されます
次回の「QuizKnock名場面集」もお楽しみに!
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