伝説も残る平安時代の隕石・直方隕石
福岡県直方市に落下した「
4月7日は直方隕石が落下した日です。
— 北九州市立いのちのたび博物館 (@KMNH_kitakyushu) April 7, 2022
貞観3年(861年)4月7日(旧暦)に直方市下境の須賀神社に落下しました。
世界最古の落下目撃記録のある隕石とされています。
実物は須賀神社の神幸大祭で5年ごとに公開されます。
博物館ではレプリカを常設展示しています。#今日は何の日 pic.twitter.com/r3PkaP3xLZ
市内にある須賀神社の境内に落下したといわれている直方隕石。神社には当時の様子が言い伝えられており、夜空が突然明るくなると、境内に爆発音が鳴り響き、黒く焦げた石が落ちてきたとされています。まさに、隕石が落ちてくるときの様子と一致しますね。
なお、直方隕石は須賀神社で5年に一度開催される御神幸大祭で公開されており、実物が引き車に載せられて市内を回る様子を見られます。次回の御神幸大祭は2026年に開催予定です。ぜひ見てみたいですね!
〇〇と双子? 民家に直撃した美保関隕石
落下した民家は目の前に日本海を望む立地。隕石は屋根瓦を破壊し、そのまま2階の床と1階の和室の畳を突き破って床下の地面でようやく止まりました。初めは雷が落ちたものと思われていましたが、翌日家の住人が隕石本体を発見したことで、一躍隕石落下のニュースが広まることになります。その後、広島、和歌山、高松などから流れ星の目撃情報が寄せられ、高知県付近で大気圏に突入し、島根県の落下地点ヘ向かって北向きのルートで落下したことがわかりました。
美保関隕石はすぐさま分析に回され、その結果興味深い事実が判明しました。通常はそれぞれの隕石でバラバラになるはずのヘリウムやネオン、アルゴンなどの希ガスの濃度が、前述の直方隕石とほぼ一致したのです。
さらに、2つの隕石が宇宙空間を漂っていた時間も約6000万年とほぼ一致することがわかり、直方隕石と美保関隕石は同じ天体から分離した双子の隕石である可能性が極めて高いと結論づけられました。たった約1000年のタイムラグしか挟まず、同じ星の同じ国の約300kmしか離れていない地点に起源が同じ隕石が落下するとは、なんだかとても不思議ですね!
美保関隕石は現在、落下現場近くにオープンした複合施設・メテオプラザにて展示中です。隕石で破壊された家の模型のほかに、実際に直撃を受けた天井板やカーペットも展示されています。
ぜひ、会いに来てください☆彡#美保関いん石#太陽系の誕生と共に46億年前に生まれました#メテオプラザ にて展示しています(有料) pic.twitter.com/lT7B4MbzwE
— メテオプラザ☆公式 (@meteorsanraizu) February 3, 2023
ギリギリで〇〇に飛び乗った! 田原隕石
美保関隕石の落下から1年前の1991年には、少し変わった場所に隕石が落ちていました。それが愛知県
落下地点は、田原市の
そしてその翌年、美保関隕石落下のニュースが大々的に報道されました。田原隕石は、このニュースをきっかけに初めて持ち主から研究者のもとへ報告され、隕石と鑑定されました。現在は2つの破片が国立科学博物館に展示されています。
船の上に落下した隕石が回収された事例はとても珍しく、記録が残る中では田原隕石が世界初でした。もし船が泊まっていなければ、全て海の中に沈んでしまっていたかもしれませんね……!
それでは、ここで隕石についてクイズです!
今回は、日本に落ちた隕石の中から特に変わったエピソードを持つ6つをご紹介しました。
遠く離れた宇宙からやってくる隕石ですが、たまたま地球の、それも人の目の届くところに落ちたことで町や市に宇宙との繋がりが生まれていることに、僕はとても興味深いものを感じます。今回取り上げたもの以外にも、落下や回収の経緯がおもしろい隕石はたくさんありますから、それらを調べたり、実際に見に行ったりしてみると、思わぬ発見があるかもしれません。
これからも隕石は地球に飛来するでしょう。もしかしたら明日、みなさんのすぐ近くで隕石が見つかるかもしれません。そんなときは丁寧に回収して、近くの博物館や天文台に連絡してみましょう。
ポイントは、なるべく素手で触れず、ビニール袋などで包むこと。隕石には特有の放射性同位元素が含まれており、時間が経つと壊れてしまいます。迅速に回収して分析することで新たな研究成果が見出されるかもしれません。
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