こんにちは、社会人ライターの和歩です。学生時代は慶應義塾大学クイズ研究会(KQK)に所属していました。
クイズの世界には学生時代から華々しい成績を残すプレイヤーもいるなかで、私はなかなか結果を出せずにもがいていました。しかし、何事も継続していればわからないもの。社会人になったある日、すべてが報われる瞬間が訪れたのです。
思うようにいかなかった学生時代
もともとクイズ好きだった私は、大学で念願かなってクイズ研究会に入ることに。そして血気盛んな大学生クイズプレイヤーの例に漏れず、日本最大級の学生クイズ大会・abcでの活躍を夢見ました。
▲クイズに打ち込む学生にとっての夢舞台、abc
しかし、思いに反してなかなか結果がついてきません。年に一度のabcでは、第一関門のペーパークイズで大学3年まで通過圏内に入れず、ようやく突破できた大学4年も、早押しクイズで1問も正解できずに惨敗。
コツコツ努力するより「ゆるゆる楽しみたい」というマイペースな性格が災いしたのでしょう。練習ではうまく乗り切っていた早押しが全くの空振りに終わり、終わったあとは茫然とするほかありませんでした。
卒業後、訪れたリベンジのチャンス
失意のうちに社会人生活が始まりましたが、私は(相変わらずゆるゆると、)仲間内でクイズを続けていました。「ある大会」が控えていたからです。
それは「abcGrats(グラッツ)」という、abcを模した大会でした。abcをオリンピックのマラソン大会にたとえるなら、abcGratsはその地方版:東京マラソンのような位置づけです。
学生対象の本家abcと異なり、この大会は「社会人1年目の人」にも参加権が与えられていました。願ってもないチャンス。運営スタッフが顔なじみの後輩だったこともあり、「abcのリベンジだ」と気持ちは
「楽しんで」手にした喜び
迎えた本番では、まず苦手なぺーパークイズを全体8位の好成績で突破。「abc本番もこのくらい調子が良ければなあ~」と思ってしまう出来で、苦しい場面もくぐり抜けつつ、ついに決勝まで勝ち上がります。
決勝は3人で戦う早押しクイズ。勝負は同じ大学で
「絶対に自分が早押しボタンを点ける。
問読みが口を開いたらとりも直さず押す」
次の問題に耳を澄ます……その感覚が、本当に楽しかった。クイズを心から楽しめているときなら、私は誰にも負けない自信があったのです。
そして、その1問が訪れました。
「問題。ちょうなどのこん……」
思ったよりも、自分の指が早く動いてしまいました。ここで誤答すると失格が近づくので、絶対にここで答えをひねり出して優勝を決めたい。

ちょうなどのこん……チョウ、腸、蝶…………「蝶などの昆(虫)」か。
3カウントの間、必死に考え、一番可能性が高いと思った単語を叫びました。自分の人生史上一番大きな声で。
「展翅!!!」
一瞬の沈黙のあと流れる正解音。蝶などの昆虫標本を作るときに行うこと、
気づくと、自分はステージ上で泣き崩れていました。まさかabcで1問も正解できなかった自分が、この大会では誰よりも多く正解できるなんて。
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— abcGrats (@abcGrats_quiz) April 27, 2024
abcGrats
優勝🪅 濵口和歩
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193人の頂点に立ち、祝福に次ぐ祝福を手にしたのは、慶應義塾大学AL 濵口和歩!! pic.twitter.com/UPDFlig4Ho
社会人生活2年目を迎えたところですが、私は今も変わらず「ゆるゆる」でクイズを続けています。
ただ思うのです。「ゆるゆる」でも一番クイズを楽しんだから、あのとき自分は優勝できたのだと。
私の場合は「クイズ」でしたが、皆さんも何か好きで続けていることがあるのではないでしょうか。たとえ「ゆるゆる」でも、今はうまくいかないことが多くても、続けていると何かいいことが起こるかもしれませんよ。