こんにちは! ライターのハルです。私はいま、修論を横目にお餅を焼いています。
……さて、この「お餅を焼くと膨らむ理由」を皆さんは説明できますか? 実はこれ、お餅を構成する分子に関係する現象なんです! 今回は、お餅が膨らむ理由を簡単に、お餅が焼けるまでの3分で解説していきます。
お餅が膨らむのは「粘り気がある」から
そもそもお餅が膨らむのは、お餅に粘り気があるからです。これは、お餅が「アミロペクチン」というでんぷんの一種からできていることが理由です。
アミロペクチンは、糖がたくさん枝分かれして切れにくい、網目のような形になっています。お餅では、枝分かれしたたくさんのアミロペクチンが複雑に絡み合い、切れにくいために粘り気が出るのです。
ちなみに、日本で一般的に食べられる「うるち米」には、「アミロース」というでんぷんが20%程度含まれています。アミロースが30%程度とさらに多い「インディカ米」は、よりパラパラとした食感になります。アミロースは、糖が1本の鎖のように繋がった形をしているので、お餅のように粘り気が出ないのです。
▲アミロペクチンが多いお米は粘り気があります
膨らむ仕組みはこれだ
アミロペクチンは、人間が消化できる「αデンプン状態」と、結晶のように硬い「βデンプン状態」の二種類の状態を取ります。
冷えて硬いお餅は「βデンプン状態」ですが、加熱することで「αデンプン状態」に変化し、柔らかくなります。
また、加熱によってお餅の中の水分が水蒸気になると、水蒸気がお餅の中の圧力を上昇させ、ふっくらと膨らむのです。
▲βにもちゃんといいところはあります
ちなみに……
お餅だけではなく、お米も「αデンプン」「βデンプン」の二つの状態を取ります。前者は炊きたてのご飯、後者は冷めたご飯です。
食感の違いは、感覚だけではなく、物質的に違う状態になっているためなのです。
最後まで読んでいただきありがとうございました! 次のお餅が焼けたようなので、私はこれにて。
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