皆さん、図書館にはよく足を運んだりするでしょうか?
大学生をやっていると、課題に必要な本を探す必要から、それなりに図書館の棚の間を行ったり来たりする機会があります。
そんな優雅な図書館散策の中で目に付くのが、背に貼り付けられているラベル。こういうやつ。
これに書かれている数字やアルファベットは「請求記号」や「所在記号」と呼ばれるもので、この文字列で本の置き場所が決められています。膨大な量の本が収まる本棚の森の中で、迷わずお目当ての本にたどり着けるのはこれのお蔭なのです。
さて、今回注目したいのは、この請求記号を決める上で使われている「日本十進分類法」という本の分類法です。ちょっと長い名前なので、"Nippon Decimal Classification"という英語を略して「NDC」と呼ばれたりもします。
この分類法は「本の大体の内容を数字の列で表そう」という発想から来ているもので、上で出したラベルなら「014.4」という部分がこの分類法で付けられた数字となっています。
また、数字は一番左のケタが一番大まかな分類を表していて、右に行くほど細かい分類になっていきます。つまり、どんな本も基本的に「3ケタの番号(+カンマ以下の数字)」で分けられている訳です。
では、一番大きな分類はどうやって本のジャンルを分けているのでしょうか? 1ケタの数字は全部で10種類あるので、10種類に分類されていることになりますね。具体的にはこの表のような分け方がなされています。
さっき出てきたラベルの「014.4」では、最初の「0」の部分がこの「類」に当たるので、この本は「総記」に分類される本だということが分かりますね。
この分類では、「総記」は百科事典や新聞のような広い内容を扱うものや、図書館・博物館といった「分類」自体を扱う分野の本を意味しています。モデルとして紹介したラベルは日本十進分類法についての本に付いていたものなので、なるほど確かにこの分類に当てはまっているなあということが分かると思います。
分かってもらえたでしょうか? 分かった? それは良かった!
では今回はここまで。
……とはいかないですね。
今の時代、どこの図書館でもOPAC(蔵書目録検索システムのこと。パソコンにキーワードを打ち込んで検索できる。)があるので、本を探すのには困らない時代です。ちゃんとした案内が付いているのですから、わざわざこんな分類なんか覚えなくても簡単にお目当ての本を見つけることはできてしまいます。
でもこれを知っていると、そういった直接道筋を示されるのとは違った図書館の楽しみ方ができるのではないでしょうか。「大まかなジャンル」で本を探したいときにはこの分類の数字を頼りに図書館をふらふらしてみると、新たな本との出逢いがあるはずです。 たとえば、「今日はなんとなく江戸時代についての本が読みたいなー でも読む本は決まってないなー」みたいなときには、「2」から始まる数字の棚をぶらぶらすると良いわけです。
え、そんな機会ない? まあまあ、一度やってみると結構面白いと思うので、そのときのためにちょっと練習してみましょう。細かめのジャンルから、大まかな場所を探す練習を。
さて、この日本十進分類法ですが、最近では類ごとに擬人化して、わかりやすく紹介しているサイトもあるようです。下にリンクを紹介するので、興味があればのぞいてみるのも良いんじゃないでしょうか?
サイト:「日本十進分類法擬人化しました。」(http://bunruigijinka.wixsite.com/10advance)
それでは、良い図書館ライフを!