解説
正解は「エイブラハム・リンカーン(リンカン)」でした。
ヒント1:「The Railsplitter(垣根を作る人)」と呼ばれた
リンカーンは1809年、ケンタッキー州の農民の子どもとして生まれました。アメリカはもともと北米大陸の東海岸に生まれた国家であり、当時はまだ大陸の内陸部から西岸に広がる未開拓のフロンティアが多くの人々により切り開かれている途中でした。リンカーンも開拓者の子どもとして、土地に柵を建てたり、作物や家畜の世話をしたりしていました。
その後、リンカーンは独学で法律を勉強して弁護士になり、さらに政治家となって奴隷制反対を主張します。奴隷制論争で名を上げ、1861年にはついに大統領に就任しました。
大統領選挙ではリンカーンが自ら作った垣根の一部がシンボルとなり「垣根を作る人」と呼ばれ、誠実で意欲的な労働を行う人というイメージが生まれたようです。
ヒント2:ひげを伸ばした写真が有名
大統領選挙の直前、グレース・ベデルという11歳の少女からリンカーンに手紙が届きました。内容は、「ひげを生やせば顔が立派に見えるので、大統領になれます」というもの。この手紙が届いた直後からリンカーンはひげを伸ばすようになりました。
その後、無事に大統領に当選したリンカーンは就任式に列車で向かう途中、手紙の主であるベデルと会い、「君のためにこのひげを伸ばしたんだ」と言いました。リンカーンにとってひげは重要なものになったようで、大統領就任後にはひげを生やす前の写真をも加工し、ひげを付けたとされています。
ヒント3:「人民の、人民による、人民のための政治」
リンカーンは大統領であるほとんど全ての期間を、60万人以上の死者を出した内戦・南北戦争とともに過ごすことになります。これは奴隷制の是非や貿易の方針について、アメリカ北部と南部の対立が爆発したものです。リンカーンはアメリカ合衆国の大統領として奴隷制反対を主張する北部を指導しました。
南北戦争さなかの1863年、激戦地だったゲティスバーグで開かれた慰霊の祭典での演説で発されたのが、「人民の、人民による、人民のための政治」という言葉です。実は当時、この言葉はあまり注目されなかったようですが、現代では民主主義の根本的な精神を的確に表した言葉として評価されています。
南北戦争には北部が勝利しますが、その直後にリンカーンは暗殺されてしまいます。しかし、奴隷制の廃止や南北戦争でのアメリカ分裂の阻止など、多くの功績を残したリンカーンは今なお多くのアメリカ人に慕われているのです。
最後まで読んでいただきありがとうございます! ぜひ次回の「今日の一問 社会編」にも挑戦してくださいね!
【前回の「今日の一問・社会編」はこちら】
【あわせて読みたい】