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答え&解説
正解は『ダヴィデ像』。モデルになっている人物ダヴィデは、イスラエルの王・サウルに仕えていた青年です。
時は紀元前10世紀頃。イスラエルの人々は、身長3mにも及ぶ巨人・ゴリアテを擁するペリシテ人の軍に追い詰められていました。
ここで立ち上がったのが青年・ダヴィデ。ゴリアテの額に向かって紐で石を投げると、見事的中! ゴリアテは倒され、勢いそのままイスラエル軍はペリシテ人の軍に勝利しました。
このことからダヴィデは英雄視され、後にイスラエルの王となります。『旧約聖書』にも描かれたこの英雄伝は、様々な芸術家の作品の主題になってきました。
ドナテッロのダヴィデ像
▲ドナテッロ『ダヴィデ像』1430~1450年 バルジェロ美術館(フィレンツェ) via Wikimedia Commons Lee M CC BY 3.0
1つ目のヒントで登場したドナテッロの彫刻は、1440年頃に作られたものです。戦いの後のシーンを切り取っています。
ミケランジェロのダヴィデ像
▲ミケランジェロ『ダヴィデ像』1501~1504年 アカデミア美術館(フィレンツェ) via Wikimedia Commons Anon-Crop-Head.jpg CC BY 3.0
ヒント3つ目、有名なミケランジェロのダヴィデ像は、1500年頃に作られました。戦いの前、投石器を手に緊張の面持ちを浮かべたシーンを切り取っています。高さ5mに及ぶスケールで鍛え抜かれた肉体を見事に表現した、盛期ルネサンスの傑作です。
ベルニーニのダヴィデ像
▲ベルニーニ『ダヴィデ像』1623~1624年 ボルゲーゼ美術館(ローマ) via Wikimedia Commons Burkhard Mücke CC BY-SA 4.0
2つ目のヒントで登場したベルニーニの彫刻は、1600年代に作られました。静かなたたずまいのミケランジェロの作品とは対照的に、石を投げる瞬間を象ったダイナミックな像となっています。
今回取り上げた3つの『ダヴィデ像』は、それぞれ「初期ルネサンス」「盛期ルネサンス」「バロック」の作品であり、それぞれの時代の特徴がよくわかる作品となっています。
ぜひ次回の「今日の一問・美術編」も楽しみにしてください!
画像出典
・ドナテッロのダヴィデ像:Wikimedia Commons Lee M CC BY 3.0
・ベルニーニのダヴィデ像:Wikimedia Commons Burkhard Mücke CC BY-SA 4.0
・ミケランジェロのダヴィデ像:Wikimedia Commons Anon-Crop-Head.jpg CC BY 3.0
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