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答え
正解は、ジョルジュ・スーラでした!
▲20代の頃の写真ですが、立派な髭ですね
解説
問題の画像は、スーラの代表作『グランド・ジャット島の日曜日の午後』です。
グランド・ジャット島は、パリ近郊を流れるセーヌ川に浮かぶ中州で、19世紀半ば以降、舟遊びなどで人気の行楽地でした。この絵の左奥にも、舟を漕ぐ人たちの姿が確認できますね。
『グランド・ジャット島の日曜日の午後』は、点のみで画面を構成する「点描法」によって描かれています。この技法は、これまで印象派の画家たちが直感的に描いてきたものを理論的に描き出そうとしたスーラが行きついたものでした。
絵の具は色を混ぜれば混ぜるほど暗くなってしまうものですが、点描では単色の点を並べるため絵の具が混ざらず、明るさを保つことができるため、不思議な輝きをたたえた画面に仕上がっています。1886年の最後の「印象派展」に出品されたこの絵は、新印象主義の到来を宣言するような作品となったのです。
ところでこの絵は、単にのどかな風景を描いているだけ、というわけでもありません。右側にいる日傘を差した女性は、ペットにサルを連れています。ヨーロッパでサルは、罪や悪徳の象徴、さらには好色な動物とされており、猿を連れているこの女性は、隣にいるステッキを持った男性と不倫関係にある、という解釈も存在するのです。
▲女性の足元のアップ
ただし、ナポレオン3世の登場でパリが発展していったこの時代、男女ともに金銭的余裕ができ、お金持ちの男性の愛人になる女性もたくさん出てきました。そういう意味では、ごくありふれた「のどかな風景」とも言えるかもしれません。
解説を最後まで読んでくださりありがとうございました。ぜひ次回の「今日の一問・美術編」にも挑戦してください!
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