オタクが多い
「オタク」と一口に言っても、「みんなアニメ・ゲームが大好き!」というわけではありません(もちろん好きな子も多いけど!)。技術系・エンタメ・スポーツ……、と全員が何かしら熱中しているものがある、ということです。
ここで実際に経験したエピソードをひとつ。中学時代、僕は「高専に入ったらプログラミングを学んでみたいな~!」という思いで高専への入学を目指していました。しかし、実際に入学後周りを見渡してみると既にプログラミングスキルをある程度携えている人がちらほら。「ツワモノばっかりじゃねぇか……!」と、とても驚いた記憶があります。
※その人たちが凄かっただけで、入学してからでもまったく遅くないのでビビらないでね!
レポートが大変!!
最初の方でも述べたとおり、高専のカリキュラムには実験・実習の授業がふんだんに盛り込まれており、最低でも週1回は実践的な授業がありました。そしてその実験ですが、一区切りする度に結果をまとめたレポートの提出が必要になります。これが大変だった!!!
前提となる理論をしっかり調べ、結果をまとめて、考察して……、という作業を、多いときは2週間に1回のペースで行っていました。さらに実験・実習は必修科目なので、未提出は許されません。
友人とも連携をとりながら、協力して乗り越えたのはいい思い出です。


クラス替えがないのに毎年クラスメイトが変わる!?
高専は基本的に1学科あたり1クラスの規模感なので、クラス替えは存在しません。なのに同級生が変わる……?
その理由は、怪異!? ……ではなく、試験にあります。
高専は単位制を採用しており、一般に学期末に行われる試験で評価されます。ただし、試験の赤点は60点と、普通の高校よりも高く設定されています。さらに試験科目も多く、4~5日間で大体10~15科目の試験を受けなければなりませんでした。
このなかなかにタフな試験を乗りこなせず、赤点を取ってしまう人もしばしば。レポートのしわ寄せで、座学に集中できず赤点を取ってしまう……なんて人も少なからずいました。
科目によっては再試験などの救済制度もありますが、それもクリアできずに単位を落としてしまう人もいます。そして、それが積み重なってしまうと、結果的に留年となってしまうのです。
僕の体感だと毎年1、2名ほどは留年してしまう人がいました。厳しい!
と、一見怖いことばかり書いてしまいましたが、いずれも自己管理をしっかり行えば回避できることばかりです。この生活自体はとても楽しかったですし、面白い授業・実験だって多い。興味さえあれば楽しめますよ!
高専を卒業したら?
(苦しくも)楽しい高専を卒業した後、多くの高専生は 「就職」「進学」のいずれかの進路を選ぶことになります。
就職についていえば、実践的な能力を培ってきた高専生は社会から高く評価されており、求人倍率はなんと20倍以上(これは1人の学生に対して20社以上から求人がくる)! 就職率もほぼ100%と、メーカー・ITなどへの就職を目指している人にとっては非常にオススメできる進路です。
一方の進学は、同じ学校でさらに2年間学ぶ「専攻科」のほか、主に国立大学の工学部などが「編入学」として受け入れを行っており、試験へ合格することで進学することができます(なお、編入学をした場合、一部の大学・学部を除き3年次からスタートします)。
とここで、編入学試験のメリットについても少し説明しますね。
まず、編入学試験は(夏頃に固まっているものの)大学によって試験日がまちまちなため、お金と時間さえあれば複数の大学を同時に受験することができます。また試験科目は大体の大学が数学・英語・理科系(物理、化学など)の3つ程度。つまり、学んできたことをしっかり身に付けてさえいれば、難関大学にだって進学できちゃうのです!
僕が選んだのは……
僕は「まだまだ色々なことを勉強してみたい」という気持ちがあったので編入学をチョイスしました。そしてその中でも「やりたいことができそうな研究室もあるし、やるからには上を目指したい!」ということで東京大学工学部を第一希望に決め、無事試験に合格して東大生としての生活をスタートすることに。
東大で専攻した分野は高専で学んだものとは少し異なるため、講義では次々と新たな知識に触れることができました。一方で、実習の講義中に「ここってPID制御の仕組みを使ったらうまくいくかも!」と提案するなど、高専で学んだ知識を活かせる場面も少なからずありました。
と、そんなこんなで大学を卒業し、同大学院の修士学生として、研究生活を進めていきました。
「高専という選択肢を知ってほしい」
最後に、学生生活を終えて社会に出た人たちの話を少し。
高専出身で、社会で活躍されている方々はたくさんいます。
- 「セブン銀行」の代表取締役社長・松橋正明さん
- カメラでおなじみ「オリンパス株式会社(現在、カメラ部門は子会社が運営)」の元社長・高山修一さん
- 『ポケットモンスター』の生みの親でもあるゲームクリエイター・田尻智さん
この方々はほんの一例で、今この瞬間もたくさんの高専卒業生が日本、そして世界の科学技術の発展に勤しんでいるはずです。
では、理工系以外ではどうなのか? 高専のデメリットとして、「今後の進路選択が狭まる」とよくいわれます。これは確かにそうで、高専を出てから理工系以外の方向へ転身するのは相当な根気が必要です。
しかしながら、実はこんな人たちも高専出身です。
- Official髭男dismのギター担当・小笹大輔さん
- 「そだねー」ブームで日本を沸かせた、平昌・北京五輪カーリング女子日本代表・鈴木夕湖さん
別に理工系にこだわらなくたって活躍することはできます。だって言ったでしょう、みんな何かに熱中することができる人たちだから。
中学生以下のみんな、まずはここまで読んでくれてありがとう。ぼんやりでもいい、将来やりたいことを考えてみてくれ。そしてもしそれが高専で学べそう、叶えられそう、そう思ったのなら、ぜひ目指してほしい!
そして、高校に入学し、僕たちとは違う進路を歩んでいった皆さんへ。そんな皆さんに向けて、「こういう進路もあるんだ」ということを知っていただきたく、この記事を書きました。今後、もし周りに中学生以下の子がいるのなら、こう教えてあげてください。「高専っていう学校もあるんだって」と。
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