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コジマです。情報系の勉強をしています。

つい自己紹介とかで「情報系」と言いがちなのだが、この言葉、結構伝わらない。

この間、髪を切りにいったときのこと……。

「大学では何を勉強されてるんですか?」

「情報系のことを……」

「情報系ってアレですよね、簿記とかやるんですよね」

「……」

すまねえ、簿記はやってないんだ……。

ちなみに「簿記」とは、お金を使った記録を残すことや、それを行う技法のこと。大学では商学部や経済学部に入ってやる分野だ。

ただ、お兄さんは悪くないのだ。悪いのは「情報系」という、何をやっているんだかはっきりしない言葉だ。

高校3年生を思い返す。進路に迷っていたあのとき、
「本当に工学部情報学科(※今通っている学科)でいいのか?」
「情報学科って何をするんだ?」
「情報って何だ?」
と疑問だらけだった。

情報系の学科で学び始めて一応3年。情報系が何をやる学問なのか、3年間で気付いたことを書こうと思う。

まずは皆さんの認識をクイズでチェック。

(情報系で学ぶ内容は学校により異なることがあります。あらかじめご了承の上お読みください)

情報って何よ?

「情報系」に近い言葉「IT系」。ITはInformation Technologyの略だ。
「私情報系なんです」という人がいたらひとまず「あ、この人はパソコンでアプリか何か作ってるんだな」と思ってくれればいい(本当は違うかもしれないがおおまかなイメージ)。

「Information(インフォメーション)」が「情報」の意味だが、日常生活で「情報」「インフォメーション」という単語が出てくる場面といえば、「耳寄り情報」「インフォメーションセンター(広い施設の案内所)」……など。あまりITっぽくない。

どうして「情報」が「デジタルデータ関係全般」を指すようになったのだろう。
「情報技術」「情報理論」などというときの「情報」
は、ニュースみたいな意味の情報(原義)をいかにして「間違いなく」遠くまで伝えるか、という問題から生まれた概念だ。

情報を符号にして通信する(モールス信号など)ようになり、そうした符号の扱い方が進歩するうちに、データを扱う技術全般が「情報技術」と呼ばれるようになったといえる。

数学が重要

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「情報系」で最も関わりの深い科目は数学だろう。

スマホアプリをひとつ作るにしても、「画像の色合いを変える」ためにも「画面のこの辺にこういう図形を描く」ためにも数学が出てくる。

コンピューターは「計算する機械」なので、何をするにも計算できるように数学で表さなければならないのだ。
必ずしも情報系の人がアプリを作っているとは限らないが(後述)、ほとんどの仕事に数学が絡んでくるといっていい。

コンピューターは「計算機」なので、飛行機の動きにしても株の価格変動にしても、コンピューターで扱うためには微積分行列などを使って数学的なモデルを作り、計算できるようにする必要がある。
コンピューターがどのように、どれくらいの速さで処理するのかを理論的に考えるには集合組み合わせといった知識が必要だし、音声や画像を処理するには複素数の知識なんかも要る。

そのため、大学のカリキュラムではかなりのコマ数が数学にあてられている。

数学以外だと、電子の動きを理解するための物理学、多くの論文で使われている英語なども重要だ。

プログラミングといっても

大学で何をやっているか説明するとき、わかりやすさ重視でとりあえず「プログラミングとかやってます」と言うことが多いのだが、一口にプログラミングといっても一般の認識とギャップがあるかもしれない。

本屋さんで「情報」の棚を眺めると、「C」や「Java」といった「○○という言語でのプログラムの書き方」の学習書が目立つ。
情報系の学生がこの本棚にある言語を片っ端からマスターしていくのか、といえばそんなことはない。

もちろん情報系に進む人が皆プログラミング経験者ではないのでこういった「特定の言語でプログラムを書く」授業もあるが、「情報系」で主に学ぶのは言語によらないプログラミングの知識だ。

コンピューターでデータをどのように扱うか、プログラミング言語で書いたプログラムがどのようにコンピューターが処理できる形に変換されるのかといった、プログラミング一般の知識を学ぶ。

computer_kurayami 実はずっとパソコンで何かやっている訳ではない

こういった勉強は紙とペンですることも多い。ずっとパソコンでカタカタしているイメージとは違うかも。

パソコンに向かうだけじゃない

「パソコンでカタカタ打つだけじゃなく紙にペンで字も書くよ」と書いた。
それでも「他の理系みたいに試験管とか実験器具を使った実験はしないんでしょ?」というイメージはないだろうか。
(ぶっちゃけ私はそういうイメージで「楽じゃん」と思って進路を選んだ節がないわけでもない)

しかし実際は、論理素子を電線で繋いでコンピューターが動く原理を学ぶ実験(乱暴な言い方をすると電池と電球をつないで光らせる実験の延長みたいなやつ)などもする。

computer_kiban

コンピューターの中で動いているアプリやプログラムのことを「ソフトウェア」というのに対し、コンピューターそのもののことを「ハードウェア」という。
この電線をいじくる実験はハードウェアの実験だ。

情報系がソフトウェア、電気系がハードウェアという住み分けのイメージがあるかもしれないが(私はあった)、情報系でもハードウェアの仕組みを学ぶことがある(学校によっては専門で選択しないとやらないこともある)。

そうはいっても、ソフトウェアとハードウェアは大きく分けて扱われることが多く、情報系の専門分野もどちらかに分けられることが多い(私はソフトウェアのほうが得意)。

まとめ

ここで挙げた以外にも、今ホットな話題であるところの人工知能や音声・画像などのメディア、データベースなど、情報系が学ぶ・関わる仕事はデジタルデータが絡むもの全般といっていい。

もし「情報系です」と名乗る人に出会ったら、この記事を思い出して「色々やっているんだなあ」と心中を察してあげよう。
とりあえず、「情報系はソフトウェア系とハードウェア系に大きく分けられる」ということを知っておくと、話がうまく進みやすい、かも?

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この記事を書いた人

コジマ

京都大学大学院情報学研究科卒(2020年3月)※現在、新規の執筆は行っていません/Twitter→@KojimaQK

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