「ここまで頑張れば受かる」何を基準にしていた?
――受験勉強するにあたって、東京の進学校だと「校内で〇位に入れば受かる」みたいなのがわかりやすいと思うんですよね。そういう目標とか基準ってどんな風に考えてました?
ノブ やっぱり僕の高校は東大合格者がそこそこいるっていうので、全く基準がないという感じはしてなかったですね。身近に「絶対東大理三※3行くやろ」っていう超天才と、「両手骨折しない限り絶対合格するやろ」っていう人が5〜6人いたんです。
※3)理三:理科三類のこと。最難関の科類とされる。医学部医学科に進む学生が多い。
▲「何があっても合格するやん、みたいな」
――すごい(笑)
ノブ それで、その下に「合格するかわかんないな」くらいの層が30人くらい。僕はたぶん、その30人くらいの層だったんで。自分の合格に自信は持てないけど、そのトップの人たちと仲が良かったんで、そこに食らいついて「こいつらには負けない」みたいな気持ちを持ち続けられたかもしれないです。
乾 いいなぁ。
――乾さんうらやましそうですね。
乾 僕の高校だと、同じ学年の文系では僕しか受からなくて。結果だけ見ればですけど、周りにそういう指標になるような人はいなかったんですよね。
▲「実際、僕も合格者のなかで上位だったわけではないし」
――そういう環境でどんなことを意識してましたか?
乾 メンタル面だけなんですけど、僕は模試を全部東京に行って受けるっていうのをやってました。
ノブ へぇ~。
――それはどうして?
乾 地方から東京に模試を受けに行く人って多いわけじゃないから、当然東京の人たちばっかなんですよね。そうすると、聞いたことあるような高校名が聞こえてくるんです、それこそ開成とか。当時の僕からすると、開成といえば伊沢さんだから「あっ、すごい人たちだ」みたいな。
ノブ 地方の高校生からすればそういうイメージだよね。
乾 伊沢さんっていう個人名だけじゃなくても、単純に「毎年100人東大に受かります」とかもう意味がわかんないわけですよ。だから「めっちゃ怖い人たち」みたいなイメージはあるんだけど、普通に休み時間には他愛のない話とか、「さっきの第3問わかった?」「むずくね?」みたいなことを話してて。
▲高校でも東京に模試を受けに行っていたのは乾だけだったらしい
乾 そういうのが聞こえてくると「わかんない問題あるんだなぁ」みたいな。まぁそりゃあるんだけど、改めて目の前でそれが起こっていると、自分と同じ高校生なんだなぁみたいに思えたというか。
――地方出身からすると、東京出身っていうだけでビビっちゃいますからね。
乾 やっぱり僕は東京の人たちに対して、いろいろな感情を抱いていたんですよね。いいなぁみたいな羨望の感情もあるし、嫉妬みたいなものも。「なんで俺はこんな田舎に生まれたんだろうなぁ」みたいなことも、思ったことがないわけではないから。
――そう思うと東京に少しだけでも慣れて、ニュートラルな気持ちで受験に挑めるようになるって大事ですね。
ノブ 東京で模試受けたあと何してたの?
乾 ちょっと遊んで帰るみたいなことやってたけど、あんまり覚えてないんだよね。1人で東京とか来たことないから、どこ行ったらいいかもわかんないし。
ノブ 東京に1人で来ても実はあんまり楽しくないこと知らない人だ(笑)。
乾 だからほんとに、1人で山手線に乗って「わぁ知ってる駅~」みたいな。
ノブ 電車も「車両なげぇ〜!」みたいなね(笑)。
乾 ちなみに僕がね、高校の通学で乗ってた車両、2両編成(笑)。
ノブ 2両!(笑) いやでも最初ビビるよな~、何両あんねんって。
乾 東京5年目の今では、「駅の〇〇出口から出るには何両目に乗るのが最適」とかまでマスターしてるけどね。
▲上京エピソードが盛り上がる
上京エピソードに花が咲きつつ、前編では乾とノブが東大を目指すまでと、地方在住だったからこその経験を語ってもらいました。後編では2人の勉強スタイルや、受験から合格後のエピソードなどを聞いていきます。次回もお楽しみに!
【後編はこちら】
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