こんにちは。山上です。
QuizKnockのアプリ「限界しりとりMobile」はご存知でしょうか。細かい説明はしませんが、要はしりとりで対戦するアプリです。
このアプリには、単語の最初の「ぢ」「づ」は自動で「じ」「ず」に変換される、という機能があります。これは、現在の日本語では、「ぢ」「づ」表記で始まる言葉が存在しないからです。
でも、どうして「ぢ」「づ」で始まる言葉が存在しないのでしょうか。「じ」「ず」で始まる言葉はあるし、「ち」「つ」で始まる言葉もあるのに。
現代仮名遣いを見てみよう
この疑問を解く大きな手がかりになるのが、文部科学省による、現代仮名遣いについての告示です。
現代仮名遣いでは、基本的に「じ」「ず」を用い、特殊な場合のみ「ぢ」「づ」を用いる、と決められています。
告示には、「ぢ」「づ」を用いる例が大きく2つ紹介されています。
「ち」「つ」の連続によって濁る場合
「特殊な場合」の1つ目は、「同音の連呼によって生じた場合」です。「ちぢむ」「つづく」などのように、「ち」「つ」が前の音と重なったため音が濁る場合、「ぢ」「づ」表記を用います。
2つの単語が組み合わさったときに濁る場合
「特殊な場合」の2つ目は、「二語の連合によって生じた場合」です。「はなぢ(鼻血)」「みかづき(三日月)」などの単語は、「鼻+血」「三日+月」というように、2つの言葉が組み合わさってできています。
このような単語では、後ろの単語(血や月)の最初が濁る現象が起こることがあります。これを「連濁」といいます。連濁によって濁った音は、元の清音が「ち」「つ」だった場合「ぢ」「づ」と表記される、というわけです。
ちなみに、「稲妻」など、元々は2つの言葉だった(稲の妻、が由来)が、現代の意識では1つの言葉だと思われる場合、「いなずま」「いなづま」のどちらの表記でも良いことになっています。
ルールで決まっていた
基本的に「じ」「ず」の表記を使う、という原則のもと、以上2つの例の場合のみ、「ぢ」「づ」が使われます。2つの例では、見てきたように、どちらの場合も「ぢ」「づ」が登場するのは2文字目以降でした。
つまり、「ぢ」「づ」を使う特殊な場合の中では、単語の最初に「ぢ」「づ」がくることはありません。よって、現代仮名遣いにおいて「ぢ」「づ」表記から始まる単語は存在しないことになります。
ちなみに、2つの例に該当しない場合として「地面(じめん)」や「図画(ずが)」がありますが、これらは元々の漢字の読みが濁っており、この場合は原則に従って「じ」「ず」の表記を用います。この場合でも、やはり「ぢ」「づ」が1文字目に来ることはありません。
ここまでの説明をバッチリ理解できたという方は、「間違えたら恥ずかしい!? じ、ぢ、ず、づ分けクイズ」に挑戦して理解度をチェックしてみましょう!